あの《夜のカフェテラス》が見られる「大ゴッホ展」。
神戸市立博物館での開催を見に行ってきました。
- 混雑具合は?
- ミュージアムショップだけ行ける?
- オンラインで買ったら紙のチケットは貰える?
など、これから観に行く人が気になることをいくつかピックアップしました。
そして、いくつかの絵についての感想を書いていきます。
気になるポイント
混雑具合は?
観覧した日:2025年9月24日水曜日 9時30分~
私が観覧したのは、平日の開館直後の時間。
開館前の待機列の人たちが中に入った後に入館しました。
展示室
展示室内は混雑してました。
どの作品の前にも常に人がいる状況。
順路に沿って列がなされて、ゆっくりと流れながら見る状態でした。
ですが、作品の前はそんな状態でしたが、その列に入らず一歩退いた位置から見る分には問題ありません。
通路自体広くとられていて、真ん中付近までいっぱいということはなかったので、往来自体は容易です。
・入場の狙い目の時間ってある?
その20分後くらいにはまた展示室への人波が増えた感があったので、ピンポイントで少しでも空いている時間を狙いたい方は、開館から 十数分 置いたタイミングがよさそうです。ただ平日のこの日がそうであっただけなので、他の日、ましてや土日などはこの通りではないかもしれないので、あくまで参考程度に思っておいていただければと思います。
《夜のカフェテラス》前は注意
《夜のカフェテラス》は単独で小さな展示室で飾られています。
撮影可能列と鑑賞専用スペースが区切られていました。
ここはやはり人気なもので常に人でいっぱい。
前後の展示室を往来するには人混みの中を通らなければならず不便でした。
平日でこの混雑ですから休日はさらに混み合うことでしょう。
順路を行ったり来たりする鑑賞スタイルの人にとっては、ここはボトルネックになります。
混雑覚悟で行き来するか、ここでいったん区切りを作るのがよさそうです。
待機列
・当日券待機列
開館直後の当日券購入列は数十人といったところでした。
このタイミングで並ぶのであればさほど時間をかけずに展示室へと入れそうでした。
また、お昼前に展示室を出たタイミングでもあまり列の長さは変わらなかったので、当日券の購入にはあまり苦労はしなさそうです。
(お昼前の当日券購入列の長さは下の写真参照)
・ミュージアムショップ
ミュージアムショップは1階のホール内に設営されていました。
このショップの中はしっかりと混雑している状況です。
商品を手に取り吟味するには多少人波をかき分ける必要がありました。

・入場規制があった
私が最後の展示室から出た午前11時過ぎの時点。
このタイミングで、最初の展示室へ入る3階にのぼる階段の前に、移動待機列が作られ始めていました。
平日でも、午後からの鑑賞だと入場の待ち時間が発生することがあり得るということがわかります。
平日の鑑賞の際は、時間の都合がつくなら午前中をお勧めします。
観覧に必要な時間は?
- しっかり見て 2時間弱
- さらっと見て 1時間強
私の場合、9時30分に入館して、ミュージアムショップでの買い物を終えた段階で11時30分でした。
壁に沿って流れている列には入らず、一歩退いた位置より、空いているところから展示順に無関係に鑑賞するスタイルで見ました。
集中して混み合っていた絵画のいくつかは鑑賞を諦めました。
しかし一通りすべて見て回り、絵の感想をメモしながら、撮影可能な作品の列に並んで写真を撮ることまでできています。
解説文まで読んで、作品前を流れる列に乗ってみる場合はさらに時間がかかると思われます。
オンラインで買ったら紙のチケットは貰える?
私は公式サイトより案内されている、公式オンラインチケット販売サイトより電子チケットを購入しました。
発行されたQRコードを見せて入場しましたが、その際に紙チケットを受け取ることができました。
私も紙チケットが欲しいタイプなので嬉しい限りです。
人気の展覧会でもありますし、販売窓口に並ぶのが億劫だなと感じていた方には朗報ですね。
スムーズに入場するためにも、可能な方はオンラインで購入することをお勧めします。

ミュージアムショップだけ行ける?
特設ショップには当日の観覧チケットが必要です。
大ゴッホ展の特設ミュージアムショップは1階のホールにありますが、入る際にはショップ入り口の係員より当日のチケットの提示が求められます。
大ゴッホ展特設ミュージアムショップのみの利用は恐らく出来ません。
ゴッホ以外の絵もある?
ゴッホと同じ時代の印象派の画家たちの作品も展示されています。
ルノワール、マネ、モネ、ピサロなどの印象派の画家たちの作品もありました。
ゴッホ以外の有名な画家の作品も併せて観られるなんて嬉しいですね。
写真撮影できる?
《夜のカフェテラス》を含めて5作品の写真撮影が可能です。
ポスト印象派を代表するフィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(1853-1890)。彼の出身国であるオランダのクレラー・…
《夜のカフェテラス》と《自画像》はやはり人気で、正面からの撮影は順番待ちの列ができています。
ですが体感では、列に並んでもそこまで時間がかからずに撮影の順番は回ってきました。
正面から写真を撮りたい方は、多少列が長くても諦めずに並んでみるといいと思います。
注意点
紙チケットは何回か見せるところがある
展示ルートの頭である3階展示室前で受け取った紙のチケットは、その後再度提示する場面があるのですぐに取り出せるようにしておくとスムーズです。
以下のタイミングで提示が必要です。
- 2階展示室入口(紙チケット受取時に案内があります)
- ミュージアムショップ入口
- ミュージアムショップ会計時
グッズ購入は1回きり
1階ホールの大ゴッホ展特設ミュージアムショップでは、グッズ購入時の会計が1人1回しかできません。
会計時にもレジ係りの人に紙チケットを提示する必要があります。
利用した証として裏面に確認印も押されますから、チケット1枚につきショップへの入場も1回きりです。
買い忘れのないように、ショップはしっかりと見て回ってくださいね。
ショップで買い物をするつもりの方は、訪れる際はその分の時間も勘案しておくことをおすすめします。

大ゴッホ展チケットで常設展は見られない
神戸市立博物館では2階にコレクション展示室という常設展もありますが、この特別展のチケットでは見ることができません。
ただ、1階ホールの奥にある神戸の歴史に関する常設展は、特別展のチケットのあるなしにかかわらず無料で見ることができます。
こちらの展示も興味深いですので、お時間があれば覗いてみてください。
「大ゴッホ展」感想
見どころ
夜のカフェテラス
やっぱりこの展覧会の注目作品といえば《夜のカフェテラス》です。
展示ルートの半ばに単独で展示されていました。
展示室も特別仕様で、写真撮影用列と観覧専用ブースがそれぞれ設けれていました。
写真撮影用列のほうが近くで見られるのでこちらに並ぶのがおすすめです。
自画像
展示ルート終盤にある自画像も見どころの一つです。
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」でも自画像が展示されていましたが、それとは別の自画像で向かって左を向いています。
あまり大きくはない絵ですが、目線の高さに展示されていてわりと近づいて観ることができます。
撮影可能な作品なので、それについても要チェックポイントですね。
手紙に書かれた作品の意図
展示されている作品について、ゴッホがテオや友人などに送った手紙に書いた作品の意図や感想が掲示されています。
ゴッホ自身が作品の解説をしていると言っても良いわけで、この内容についても目を通していきたいところですね。
個人的には《掘る人》についての手紙の内容が印象的で、絵画としての内容を突き詰めるために現実より脚色を入れているとの部分が思わず「へー」とうなりました。
作品のピックアップ個別感想
第1章 バルビゾン派、バーグ派
2 《パンを焼く女》 ジャン=フランソワ・ミレー
暗い画面に浮かぶパン焼き姿が良い。
窯の前で、周りも石壁に囲まれて、きっと熱いだろうにせっせと働くその姿がりりしい。
5 《ユダヤ人の写本筆記者》 ヨーゼフ・イスラエルス
大きな絵で、描かれている人物が現実と比べて等身大で描かれている。
ぼやっとした空気感ながらも、本当にそこに空間があって作業をしているような現実味を感じる。
第2章 オランダ時代
6 《麦わら帽子のある静物》 フィンセント・ファン・ゴッホ
陶器、麦わら、木材テーブル、布巾…。
置かれた様々なものの素材が見事に描き分けられていて、すごいなあと思わず感心してしまう。
歴史に名を残してる画家に向かって見くびり過ぎだとわかっているけど、やっぱり絵でこういう描き分けがされているのを見ると嘆息がもれてしまいます。
8 《庭の片隅》 フィンセント・ファン・ゴッホ
写実的で精緻な鉛筆画。
当時はありふれた風景だったのかな。
雨よけの手作りっぽい屋根やそのたの小物などが現実感を出してくる。
こういう何気ない、静的な日常の風景が細かく描写されている絵は結構好き。
7 《森のはずれ》 フィンセント・ファン・ゴッホ
ごく普通の変哲もない木立の風景だけど、日常の身近な雰囲気を感じて好き。
16-18 《織機と織工》
19-20 《織工》
21 《糸を巻く男》 フィンセント・ファン・ゴッホ
織工が主題の作品ゾーン。
機織り機の造形が細かく描写されている。
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」で見た《麦の穂》の絵を見た時も思ったけど、細部まで細かい描写をするあたり生真面目なのかなと思ったりする。
46 《掘る人》 フィンセント・ファン・ゴッホ
暗い画面、暗い色調、濃い陰影。
この表現で描かれてるゴッホの絵は魅力的。
絵画的脚色をしたと手紙に書かれてる。
確かに写実から見るとおかしなところはあるのだろうけど、絵としてはとても状況が伝わってくる。
44 《麦束》 フィンセント・ファン・ゴッホ
写実的でありながら、間近で見ると筆致はそこまで細かくない。
なのに色の乗せ方が素晴らしいし、細部の最小限の描写でここまで描くのはすごい。
28 《女の頭部》 フィンセント・ファン・ゴッホ
「闇の中に存在する光にこそ美がある」とゴッホが考えていたとのこと。
この考えは共感できる。
実際色調の暗さのなかに浮かび上がる物体は存在感を増している。
35 《じゃがいもを食べる人々》 フィンセント・ファン・ゴッホ
油彩画でも存在している《じゃがいもを食べる人々 》のリトグラフのようです。
油彩画と見比べられないのでわからないけど、違う表現技法で同じ作品を再現していてすごい。
50 《秋の風景》 フィンセント・ファン・ゴッホ
黄色く色づいている木立と枯れ始めた草花の秋の風景が美しい。
一見錆びついた色調で寂しい雰囲気と感じるかもしれないけど、深まった季節の奥ゆかしさとともにそこにただ佇んでいるいつもの風景、という感覚がほっとする。
49 《りんごとかぼちゃのある静物》 フィンセント・ファン・ゴッホ
暗い色彩の静物画。
暗い空間の静物画には得も言えない吸引力があるけど、ゴッホも見事。
暗いからといって、絵の中の時間帯が夜とも限らない。
けど、果物や野菜を照らしている光は、窓から差し込んだ街灯の明かりに感じる。
落ち着いた空気感を感じた。
第3章 パリの画家とファン・ゴッホ
52 《音楽家の道化師》 ピエール=オーギュスト・ルノワール
「ルノワールってこういう作品も描く画家だったんだ?」という感想が初めに出てくる。まだまだ初級者だから彼について詳しくないし、自分が知らないだけなんだろうなー。
背景、観客などはルノワールのイメージにあるぼやっとした表現で、ここの部分は「あー、そうそう」ってなる。
それゆえにリアルに描かれた道化師が浮いていて強い印象。
この絵に関して既視感があるのはなぜだろう。
53 《カフェにて》 ピエール=オーギュスト・ルノワール
「そうそう、ルノワールってこういうイメージ」と、一つ前の作品と比較して出た最初の感想。
目が少し潤んで滲んだ視界のこんな感じの表現。(って現地では思ったけど雰囲気的にはもうちょっと違いますね)
《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》は知ってるから、こういう雰囲気がルノワールって印象がついてる。
54 《フールチェ・ファン・デ・スタット嬢の肖像》 クロード・モネ
「モネってこういう作品を描く画家だったんだ?」という感想が初めに出てくる。まだまだ初級者だから彼について詳しくないし、自分が知らないだけなんだろうなー。
描かれている女性が着てる服が好み。
55 《モネのアトリエ舟》 クロード・モネ
「そうそう、モネってこういうイメージ」と、一つ前の作品と比較して出た最初の感想。
モネはやはり水面の表現は卓越してると思う。
56 《虹、ポントワーズ》 カミーユ・ピサロ
「そうそう、ピサロってこういうイメージ」記憶の中のピサロの作品と比較して出た最初の感想。
明るくて鮮やかな色調で、モチーフは写実的ながら表現は印象派。
広がる風景に澄んだ空気が漂ってくるようで爽やか。
かかる虹と土と木に、不快感のない湿度、マイナスイオンを浴びているよう。
第4章 パリ時代
64 《ムーラン・ド・ラ・ギャレット 》 フィンセント・ファン・ゴッホ
ルノワールの有名作品と同じタイトルで一瞬「あれ?」と思った。
けど YouTube か本かなにかで、場所の名前みたいなことが言われてたようなうっすらした記憶が掘り起こされたのですぐに納得。
描いた画家も違えば画角も違う?そして場面もたぶん異なる。
それだけで同じモチーフでもここまで印象が変わるものなんだと。
65 《燻製ニシン》 フィンセント・ファン・ゴッホ
近くで見ると描写は印象派なのだけど、少し離れて観ると一気に写実に見えてすごい。
66 《バラとシャクヤク》 フィンセント・ファン・ゴッホ
花弁の絵の具の盛り上がるほどの筆致が力強い。
なのに生花の柔らかさや美しさを損なわない。
同系統の色相で背景と静物が描かれていて、すごくマッチしている。
70 《自画像》 フィンセント・ファン・ゴッホ
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」で見た自画像よりは生気を感じる。
調べてみたら描かれた時期は、この展覧会の自画像のほうが半年くらい早いらしい。
やはり自画像が描かれたこのあたりの時代の彩色表現はすごい。
細かく見ていくと色々な色が使われている。
第5章 アルル時代
73 《夕暮時の刈り込まれた柳》 フィンセント・ファン・ゴッホ
ゴッホってこういう作品を…と思ったけど、ひまわりを思えばこの色使いとかが類似するような気がする。
他の作品と比べてもさらに筆使いが大きく長くなってる。
74 《夜のカフェテラス》 フィンセント・ファン・ゴッホ
淡い空気感に、澄んだような深い色の夜空と鮮やかに映えるカフェの灯りが綺麗。
改めて全体を眺めると、石畳の地面と右側の樹木の落ち着いた色彩が土台となってて、より青と黄色を際立たせているように思いますね。

展覧会情報
場 所: 神戸市立博物館
展覧会: 大ゴッホ展 夜のカフェテラス
会 期: 2025年9月20日(土) ~ 2026年2月1日(日)
休館日: 月曜日、12月30日(火曜)~1月1日(木曜)
※ただし、月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館。
時 間: 9時30分~17時30分(金曜と土曜は20時まで)
※展示室への入場は閉館の30分前まで
大ゴッホ展 夜のカフェテラス 公式サイト(grand-van-gogh.com)
今回の展覧会は、一般の料金に対して、大学生は半額、高校生以下は無料になっています。
学生さんたちはゴッホの名画を安価で見るチャンスですので、ぜひこの機会に訪れることをおすすめします。
まとめ
今年はゴッホの絵画を見られる機会が多くあります。
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」 のほうに行った方、これからの巡回開催で行こうと思ってる方も、こちらの大ゴッホ展にも来られることをおすすめします。
それぞれ別の美術館より来日しているため、展示作品のラインナップは異なっています。
どちらとも有名な作品が見られますので、ぜひ足を運んでみてください。
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