世界冒険の旅展のアイキャッチ画像

感想、世界探検の旅展 鑑賞レポートとグッズメモ@奈良国立博物館

世界冒険の旅展のアイキャッチ画像

奈良国立博物館で開催されている「世界探検の旅 ―美と驚異の遺産―」展。

広告ビジュアルではなんだか恐ろしい仮面や装束の民芸品の写真が載ってますよね。
こんな奇怪な展示品ばかりかと思いきや、実際に行ってみるとそうではありませんでした。

もちろんこの仮面や装束も見応えのある展示の一つですが、そのほかにもエジプトの黄金マスクや、鎌倉時代の日本のお釈迦さまもおります。
さらにインドの神々が写された近代の織物、姿を消しつつある中国北京の看板など、展示はバラエティに富んでいます。

ただ

「こういう歴史的遺物の展示は見てもよくわからなそう」

と思うかもしれません。
実際よくわからない私が観てきましたが十分楽しめました。
展示品のそれぞれの解説文がポップな文章でイラストも交えていて、知識がなくても分かりやすい視点で書かれています。

少しでも興味を持ってくれた方にとって、実際に観に行くハードルを下げられるような記事になればと、感想などをお伝えします。

 

展覧会のポイント!

面白い展示と分かりやすい解説
バラエティに富んだ多様な展示で面白い

会期、場所

開催地 : 奈良国立博物館

展覧会 : 奈良国立博物館開館130年・天理大学創立100周年記念特別展

「世界探検の旅—美と驚異の遺産—」

→「世界探検の旅—美と驚異の遺産—」公式サイト(art.nikkei.com/tanken/)

会 期 : 2025年7月26日(土)〜 2025年9月23日(火・祝)

休館日 : 7月28日(月)、8月4日(月)、8月18日(月)、8月25日(月)、9月1日(月)、9月8日(月)、9月16日(火)

 

混雑具合

訪問したのは 7月27日日曜日。

入場時間は 13時15分頃。

それなりにお客さんも多く賑わっていましたが、陳列室内が広く、展示の間隔や通路も広く取られていました。

決して少なくない数のお客さんでにぎわっていましたが、混雑しているという印象はありません
展示品の前にはそれなりに人がいますが、誰もいないところもちょこちょこある感じです。

 

鑑賞時間

さっとみたら1時間程度

注目の展示物や気になる展示物はちゃんと見て、そのほかの展示物を軽く流し見する見方で約1時間程度で見て回ることができます。

ただ会場も広ければ展示の点数も多いので、この見方でも個人差が 10~15分ほどは出ると思います

 

じっくりしっかり見ると1時間40分〜2時間

キャプションや解説文も読んで、展示品をじっくり見て回ると2時間近くかかるとみていいと思います

一つの展示作品によって解説パネルが複数ついていたり、章立ての案内板も節ごとに細かく分かれていたりします。

なので、それらをすべて読まないと気が済まない、などのように、人によってはそれ以上に時間がかかると見積もっておくといいかもしれません

 

ワークを実施するとさらにかかるかも

今回の展覧会では無料のワークシートが配布されています。

指定の展示品を見つけ、対応する国の記号を穴埋めしていく形式のものです。

全てを見つけ切ろうとすると、見逃した展示を探しに後戻りすることもあると思います。
そうするとさらにプラスで10分単位の時間がかかることになりそうです。

「世界探検の旅」展、無料で配布されているワークの用紙
ワーク自体は簡単ですが、完ぺきにこなそうと思うとややちょっとした手間がかかるかも。

写真撮影が可能

今回の展覧会は全展示物の撮影が可能です。

お気に入りの展示物があった時に確実に記録が残せるのは嬉しいですね。

また、何かしらの資料としても有用です。

「世界探検の旅」展、写真撮影OKの案内板

「世界探検の旅」展の注目ポイント!

第二章 第一節 ニューギニアの祖霊精霊

大小様々仮面や装飾が並びます。

恐ろしく感じるものからずんぐりむっくりでどこか愛嬌のあるものまで。

そして成人や死者に対しての扱いなど、解説文に書かれている内容を読むと日本とは異なる価値観に驚かされます。

「世界探検の旅」展、第二章第一節ニューギニアの祖霊精霊セクションの写真。
キービジュアルの仮面はここにいる。

展示の特色

展示の解説文

その展示品の技術や用途に留まらず、展示品の時代の風俗やそれによる時代への影響も含めて解説されています。

「世界探検の旅」展、展示品の解説パネルが2枚。当時の影響や風俗について触れた説明が書かれている。
(左)ガラス製品の製造技法による世間への影響    (右)ガラス製品の用途と、当時の美意識が垣間見える

摩訶不思議アワー

特定の陳列室では照明による演出があります。

通常の明るい照明ではなく、やや薄暗めの色付きの照明によってどこか妖しさをまとった雰囲気の展示を楽しむことができます。

私自身もこの摩訶不思議アワーを楽しみに訪れましたが、実際にその特殊照明下での展示は雰囲気や魅力がアップされています。

こぼれ話

展覧会開催直後は時間帯によって通常の照明と切り替えが行われていました、

時間帯による切り替えが行われていた時期に展覧会に訪れていたのですが、照明は職員の方が各陳列室を回り手動で切り替えていました。
たぶんその手間などもあって常時開催に踏み切ったのではないでしょうか。

時間が近くなるとお客さんが陳列室近辺で今か今かと待ち構えていたので、当初より好評であったのは間違いないと思います。

「世界探検の旅」展、摩訶不思議アワー。常時実施前の照明との比較写真。
摩訶不思議アワーのほうが、妖しげな雰囲気が増して展示としての魅力が上がってますね。

おすすめポイント

解説文は読んだほうがいい

展示品の解説文は、展示品自体のディテールや歴史的な価値などについて書かれがちで難しい印象があります。

こちらの展覧会も多くはそうなのですが、平易な文章で書かれていてわかりやすいです。

また、当時の風俗やその後の文化などへの影響に触れている文章も多く、解説文を読むことで展示品に初めて興味を持てるものもありました

そしてお客さんへの問いかけや、特に注目してほしいところではイラスト、色付きのデザインで目を引く特別な解説文も掲示されています。
複数の解説パネルが設置されている展示品もところどころ見られ、見てくれる方に楽しめる展示にしようという工夫を感じます。

「世界探検の旅」展、No.77「二十八部衆立像のうち迦楼羅王」
例えばこの展示品、「二十八部衆立像のうち迦楼羅王」では。

  「世界探検の旅」展、No.77「二十八部衆立像のうち迦楼羅王」のイラスト付き解説パネル 「世界探検の旅」展、No.77「二十八部衆立像のうち迦楼羅王」の解説パネル。

このようにイラスト付きと通常の解説の2つのパネルが設置されている。

 

ゾーンやセクションごとの解説がキャッチー

この展覧会の特色といえば、とにかく説明文が易しいことです。

分かりやすさを重視してか、なるべく簡単な文章にしようという努力が見られます。
そしてほとんど読み仮名も振ってありますので、漢字が苦手な方や小学生くらいのお子さんでも読めるような配慮も見られます

章立ての解説文も対象に合わせて違った文体や視点で、興味を持たせてくれます。
私自身も世界史にはあまり自信がなかったので、この章立ての文章を読むことによって、そのセクションの背景を大まかに頭に入れて展示を楽しむことができました。

またそれ以外にも注目となるゾーンにはパネルが設置されていて、ちょっとした雑学も知ることができて展示品への興味を掻き立ててくれます。

「世界探検の旅」展、第1章のパネル 「世界探検の旅」展、ガラス器について解説しているパネル

章ごと、節ごと、そして注目の展示など、ことあるごとにパネルが設置されています。
いろいろな物を見て欲しい、知って欲しい、というような”伝えたい”という熱意が伝わってきました。
実際に書かれている内容も、思わず「へぇ~」とつぶやいてしまうようなことが多くありました。

 

ワークシート

意外と手応えもあり楽しめた

ワークシートの内容自体は、

目的の展示品を探し出して、提示された文字を拾って文章を作る

という簡単な物です。

ですがこれが案外楽しめました。

目的の展示品を探すのはまさに「探索」ですし、世界の展示品が並ぶ中で歩き回るので「冒険」です。

そして展示品からキーワードを「発掘」して目的の文字を「解析」

そして文章を「復元」する。

歴史的な遺物を見つけてそれがどんな”宝物”かを推定する流れが味わえます。

展示品も色々探し回りましたから、大人でもそれなりに手応えがあって楽しめるものでした。

どんな内容か

展覧会内では無料のワークシートが配られています。
ワークの内容は下の写真のこのような感じ。

「世界探検の旅」展、館内で無料配布されているワークシートの見開き。
展示品の関わりの深い国をこの世界地図から探す。どの国なのかは、展示品の解説パネルを読むと分かる。

(公式サイトでもワークシートのPDFが公開されています)

  1. 写真の載っている展示物を見つけて、その展示物と関係のある国を解説の文から確認。
  2. 印刷された世界地図からその国を見つける。
  3. その国に振られた番号を展示物の写真の四角に埋めていく。
  4. その数字を頼りに、四角に書かれたひらがなを、シート下の文章に書きこんでいく。

これでワークシート右下の穴埋め文章が完成します。

ワークは難しくない

たくさんの展示物の中から特定の物を見つけるのは難しい” と思いませんでしょうか?

ですが大丈夫です。

展示物の写真には展示品のナンバーが書かれていますし、館内の展示は大体その番号の順番にならんでいます
その番号を頼りに展示品を探し当てることができます。

一部の展示品は見つけづらいこともあります。
(実際私もいくつか探し回りました)

ですが、ワークの答えの文章自体は簡単な文でした。
なのである程度埋めてしまえばあとは推測で埋められます。

「文章をぜひとも完成させたい!」という目的があれば、下のような案内板もありましたのでじっくり見てみるといいでしょう。
私もいくつかの展示はこの案内板で場所のあたりを付けることができました。

「世界探検の旅」展、第1章と第2章の間の通路にある案内パネル。
ワークシートに乗っているいくつかの展示品は、この第1章と第2章の間の通路にある案内パネルを見て大体の場所が分かる。

特典で限定シールがもらえる

ワーク終了後は、展示ルート最後の会場出口にあるカウンターの担当者の方に見せることで、参加賞である限定シールとワークの解答用紙をもらうことができます。

この時におそらく

ワークシートに埋めた回答が全問正解である必要はない
(解答用紙とシールをもらう際に、穴埋めした文章が合っているかの確認はありませんでした)

ので、ぜひ気軽に参加してみてください。

「世界探検の旅」展、ワークシートの解答と参加者特典の限定シール。
写真下が限定シール。今回の展覧会のオリジナルキャラクターがデザインされている。

 

展示品ピックアップ感想

13 把手付金杯 ギリシア 紀元前16世紀頃


紋様入りの金杯が紀元前16世紀には作られている…ということに驚かされる。
古代の人の持つ技術ってもっと原始的だと思ってたから、自分の知識が甘い。
想像よりも遥かに高い文明を生きてる。

素材としては「金」としか書かれていなかったけど、本当に全部金でできたものなのかな?
だとしたら今の感覚だと贅沢だし、豪華だなーと思う。
当時もやっぱりそうだったのかな?

 

18-3 ギリシア陶器 ギリシア/イタリア 紀元前8~前4世紀頃

紀元前の時点で陶器の塗り分けが出来てこんなに装飾のある壺が作れるなんて…。
紀元前なんて日本の土器とかのイメージだったのに。
自分の薄い認識が塗り変わる。

 

43-3 円形切子碗 伝イラン サーサーン朝時代 (5~6世紀)

ガラス製品ってそんなに昔からあったんだ

 

54-2 六葉盤 中国唐時代 (7~8世紀)

花か葉か、そんな形をした陶器

実用性はわからないけど飾ってあるとすこし華やかな雰囲気になりそう

 

63 唐鏡 中国唐時代 (7~8世紀)

やっぱりこの唐の時代の鏡は紋様が華やかで美しくて、精緻な彫刻がすき

 

114 劇用仮面 インドネシア、ジャワ島 20世紀前半

冒険劇用の仮面など。仮面がたくさん用いられるようで、怪物っぽいものも多々

仮面って多様で面白い

 

174 ケロ ぺルー南高地/ボリビアティワナク文化 (6~12世紀)

イラストや飛び出た猫科の顔がかわいい

 

展覧会についての情報

特設ミュージアムショップ

展示ルートの後にありますので観覧券を購入して見終わらないと入れないようです。

支払い手段

特設ミュージアムショップの支払いの手段は、
現金、各種クレジットカード、QRコード決済、電子マネー
それぞれ使用可能でした。
各種支払いに対応しているので、お好きな方法で大丈夫そうです。

art NIKKEI LINE 登録者限定シール

art NIKKEI の 公式LINEアカウントを友達登録すると、限定シールがもらえます。
特設ショップのレジで画面を提示することによって、限定デザインのシールをいただきました。

展覧会グッズ

公式サイトには雑誌のムーとのコラボグッズが紹介されています。

 

特別展 世界探検の旅―美と驚異の遺産―

特別展 世界探検の旅―美と驚異の遺産―|2025年7月26日(土)~9月23日(火・祝)|奈良国立博物館…

 

この展覧会のオリジナルグッズはの多くはこちらに掲載されているもので占めますが、それ以外にもこれらのグッズがありました。

  • 図録トート
  • 特別パッケージこんぺいとう
  • ワッペンキーホルダー
  • クリアファイルA4(2種類)
  • クリアファイルA5(2種類)
  • アクリルキーホルダー
  • ポストカード
  • マグネット
  • A5ノート
  • マルチステッカー
  • ダイカットステッカー

 

奈良国立博物館、展示の環境

広い陳列室

通路は広く取られていて、床にもほぼ段差はありませんでした。

時折、陳列室中央の展示ケースに電源を取るための配線カバーがありましたが、気になるほどでもありません。
実際に手動車椅子の方が介助なしで見て回っている光景を見かけました。

展示室は2階ですが、入口すぐにエレベーターがありますし、出口はスロープとなっております。

休憩のスペース

各陳列室の壁際に数脚の長椅子が設置されています。
また、陳列室と陳列室のあいだの空間にも多めに長椅子が設置されています

お客さんも混雑しているという程でもないので、常にどこかの椅子には腰掛けられる状況であるでしょう

ロッカーなど、料金や使用状況も含めて

正面玄関から入って右手の売り場をちょっと過ぎたところに大きなロッカーが8区画。
その左側の通路奥に68区画の中サイズのロッカーがあります。
どちらもあまり使われていませんでした。
料金は100円で、使用後に返却されます。

トイレ、多目的など

入場後すぐ階段脇から男女別と共用多目的があります。
チケット売り場より奥、地下1階への階段おりて男女別と共用多目的があります。
展示ルート後の特設ショップ横の地下1階は、男女別のみで、階段でしか降りられません。

常設ミュージアムショップ・カフェ

チケット売り場奥の階段を下りて進んでいくと、常設のミュージアムショップとミュージアムカフェがあります。
ミュージアムショップの決済手段は、各種クレジット、id、交通系IC、QR決済はPayPayのみのようです。

 

まとめ

おすすめポイント

分かりやすい解説とキャッチ―な案内
世界の様々な遺物や文化が一度に楽しめます

ひとことで言うなら、楽しい展示でした

様々な国、地域の、様々な時代の物を実際に見ることができます。
古代エジプトの棺とアンデスのインカ帝国期のコップ、そして20世紀中国の商店の看板が同時に見られる展覧会なんて、なかなか面白い取り合わせです。

博物館は奈良公園の近辺にあるので、周囲にはシカがたくさんいます。
展覧会を見終わった後は鹿せんべいをあげながら公園を散策するのも良いですね。

気になっている方はぜひ訪れてみてください。

 

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