中之島美術館で開催された、『生誕150年記念 上村松園』の展覧会の2回目の訪問です。
前期日程の展示も素晴らしかったですが、いよいよ後期日程には重要文化財の『母子』『序の舞』がやってきました。
一番注目しているのはその2作品ではあるのですが、前期と比べてガラッと展示は入れ替わり他にも素晴らしい作品が多数ありましたので、素人ながらに感想を記します。
筆者の知識
◎ (名前と代表作1〜2つ、程度)
◎ 他の時代の画家は断片的な知識
◎ (名前くらいはそこそこ聞いたことある、くらい)
◎ 日本画はそれ以上に知識がない
前期展示期間の記事はこちら
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短文感想
掲載されている写真はすべて、展覧会にて”撮影OK”と表示されていた作品です
16 母子[重要文化財]
入ってすぐ目に入る場所に展示。
子どもを慈しむような目が印象的。
説明文を読むとこの数か月前に母を亡くしたとのこと。
どちらに自分や母の姿を重ねたのだろう?
自分の母親も自分が生まれたときはこんなふうに抱いていたのかなと考えさせられた。
11 月影
なに覗いてるんだろうと思ったら題名が月影。
奥の部屋にお琴がおいてあるので、夜稽古でもしてたのかな?
23 花の旅
険しそうな道を歩きながらもつらさを見せず、同行者と一緒の旅路だこらこそ楽しそうな雰囲気を醸し出しているように思う
第二章の春の絵を見て
春の絵の掛け軸が並んでる一角を全体的に眺めてみて、色使いが柔らかく暖かいことに気づく。
青も緑も赤も茶も、かすかに白が混ざっているような、ふっくらとした柔らかさ。
着物の柄も背景も花で溢れて華やか。
49 待月

空を見上げて月を眺める姿が清らか。
月見を楽しんでいるのか、それともまだ見えぬ月が現れるのを待っているのか。
作品の題名からして後者なのかな?
グッズの千寿せんべいのパッケージにもなってる絵。
周辺の余白が空間の広がりと夜景の想像をかき立ててくる。
秋の作品の一角
前期は紅葉の橙色で明るかったけど、後期展示は紅葉の表現が少し大人し目になった。
54 軽女悲離別図
上村松園のかく男の人ってすごく珍しいのでは…。
56 花がたみ
目を引かれた作品。
ぱっと見て綺麗な人と思ったけど、なにやら服がはだけているような、表情もなんか明るくないし全体的な雰囲気も妖しさをまとっているような…?
説明文を読んで、慕った相手を追って旅に出ている姿と知る。
悲しみと、それゆえに心から必死になって追っているからこその雰囲気と表情なのか、と。
64 楚蓮香之図
唐の女性の図はそこまで刺さらないのだけど、こちらの絵は華やかでよさげ。
十二国記の芳極国の公主そんしょうを思い出した。
70 序の舞[重要文化財]

いよいよこの展覧会の本命。
松園さんの作品でこんなにも全体的に朱色の着物を纏った女性って他にいたっけ?
たぶん自分が把握してないだけだと思うけども。
その朱色が非常に印象的で、サイズとしても大きな絵だからインパクトが強い。
説明文を読んで、佇まいが力強いと感じた。
79 古代男舞之図

前期展示を見に来た時以来ぶりです。
同じ区画にある絵が序の舞に変わったので、この絵から受ける印象も変わる。
美しいのは言わずもがな、隣の凛とした女性の強さを纏った真っ赤に比べて色彩が落ち着いていて、その雰囲気からも(私としては控えたい表現ではあるけど)男らしさが以前より増したように感じる。
87 長夜
きっと夜に小さな明かりを頼りに本を読んでる。
どんだけ面白い本なのかな。
103 夕暮
あー、針に糸を通そうとしているんだなと。
目が見えないわけではないだろうし、障子を開けて明かりをとってるから部屋が暗いんだろうなと。
106 蛍
夕涼みしてるふうの女性。
現代の夏よりも涼しいんだろうなとちょっと思ったりするけど、そりなりの湿度と気温は感じる。
夕涼みがほんとに涼めてそうな気もする。
前期、後期通しての感想
様々な立場の女性たちが描かれ、そのどれもがどこか気品を漂わせているように感じました。
なかでも私は、日常生活の一部を描写した類の絵が好きです。
空気感の漂ってくるそれらの作品のなかでも、どこか芯を持った女性たちが生き生きと描かれているような気がします。
ほっと一息ついたとき、好きな物を眺めているとき、家族や友人らとの時間を過ごしているときなんかはキラキラしたものが舞っているように感じましたし、家事などの仕事に勤しんでいる場面でも、悲観や苦労は表に出さず、目の前の内容に誠意を持って(くわえてどこかしら満足そうな雰囲気をまとっているようにも感じ、)対応している様子がとても格好いいです。
絶筆である〈初夏の夕〉でもその気品を失わせることなく描写していて、どこまでもこの上村松園は筆に感情をこめていたんだなと感じました。
今後の展覧会
上村松園の展覧会は、関西では今年あと2つ開催があります。
今年が生誕150年ということで、各地で様々催されるようですね。
上村松園と美人画の軌跡
2025年10月11日 〜 2026年1月8日
上村松園生誕150年記念 下絵と本画
2025年11月1日 ~ 12月28日
終わりに(〈母子〉を思う)
実は上村松園は、私の母が大ファンで、母から教えてもらったことをきっかけに私はこの人を知りました。
これまで奈良の松柏美術館や京都の福田美術館へも、上村松園の絵を目的に母とともに訪れています。
そして今回の後期展示、展覧会の頭に置かれたのは〈母子〉でした。
成人して子が親元を離れるとお互いの生活は変わっていきます。
子育ての期間を除けば親子がゆっくりと一緒に過ごす時間というのは、だんだんと少なくなっていきます。
実際私と母もそうです。今はそれぞれ違う家で暮らしています。
自分が生まれた時、母も同じような顔をして私のことを抱っこしていたのかな?
そしていつか来るであろう別れの時に、この一緒に過ごした時間を〈母子〉とともに思い出すのかなと、そんなことも考えることのあった展覧会でした。
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