<感想・観覧記録>日本国宝展{展示期間(5)}@大阪市立美術館[初心者美術]

大阪市立美術館の日本国宝展、2回目の観覧に行ってきました。

展示替えが頻繁に行われるこの展覧会、今回このタイミングで訪れたのは、あの教科書などに載っている写真で有名な源頼朝を観るため。

そして声優の津田健次郎さんが目当てで、今回は音声ガイドもレンタルしました。

1回目の観覧の感想記事はこちら

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混雑…展示室もミュージアムショップも

今回は夕方16時30分の予約枠で入館。

前回の開館直後の時間と比べてさらに混雑していました。
特に注目の展示物の前には、数十人が集まってなかなか間近で見ることが難しい状況

列を作るように案内されているところは、展示室からはみ出るほどの列。

正直なところこれだけでどっと疲れが湧きます。

ショップも混雑していて、会計の列は出口からはみ出して最後尾がエントランスホールになる始末。
ただその割にはスムーズに列が進んでいったのでそこまでストレスはありませんでした

人気な展覧会の閉館時間近くは混雑するということを、今回身にしみて理解しました。

そんなわけで遠くからしか見れませんでしたが、通期展示のものも含めて短文感想です。

 

短文感想

6 『唐獅子図屏風 』 狩野常信・狩野永徳

迫力のある唐獅子が三頭描かれたとても大きな金屏風。
迫力満点で、威圧感がすごい。

 

2 『天橋立図 』 雪舟

繊細な描写で嘆息が出そう。
墨絵?でここまで精緻に風景の描写ができるのか。
山々にかかっている靄が美しい。

 

3 『慧可断碑図』 雪舟

初めて見た。
第一印象は「誰これ」だけど、なんだか高尚なお坊さんっぽいな、と。

―音声を聞いて―
音声を聞くまで左腕切り落としの描写に気が付かず。
それを聞いてようやく壮絶な覚悟が表情に表れていることに気づいた。

 

26 人物画象鏡

前回も見たドーミラー(ポケモン)のやつ。
やっぱり文様の彫りがすばらしい。

―音声を聞いて―
当時から海外文化の取り入れが行われていたことが見て取れるとのこと。
それが現代に伝わっているのが、なんとも当時の文化交流が垣間見えて思わずうなってしまいそう。

 

13 『燕子花図屏風』 尾形光琳

色数が極端に少ない。
花も葉もそれぞれほぼ2色だけで表されている?
物の形だけで美しい花とバランスの良い構図を実現しているように思う。

―音声を聞いて―
腕の擦れは見つけられなかった。
存在する要素を省略して描く発想とそれを実行するほどの画力、私には到底実行できないし、確かに音声ガイドの通り、両立させようとしているのは現代的に感じる。

 

14 八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳

硯箱とはいえ、現代でも通じるお洒落感。
というかこの尾形光琳というお方は絵も描くし立体物も造形できるのか。
マルチな才能の持ち主なんだな…。
単純なカキツバタの描写でなく、橋桁も描くのではなく、素材を貼り付けて表現する革新性はすごい。

 

15 色絵雉香炉 野々村仁清

前回も見たけど、あまり気にも留めてなかった作品。

―音声を聞いて―
解説を聞いて細部を見れば確かに様々な描写手法が用いられてる。
顔周りの造形も細かいし、香炉としては確かにかなり贅沢なものに見えた。

 

49 釈迦如来像

これも目当ての一つとして観に行ったのだけど、人混みが凄くて近づいて観ることを断念。
人山からはみ出ている部分、バストアップとご尊顔は遠目から拝見できました。
平安時代のものと会って色褪せていましたが、その威厳は損なうことなく、感情を読み取れないながらも敵意のない柔和な表情でこちらを見据えているその姿を見られてよかったです。

 

53 普賢菩薩像

象に乗った菩薩様。
前回別の展示室で彫像として見た気がする(※薬師如来坐像でした)
絵自体に金などの装飾されてるらしいけど見えなかった。

―音声を聞いて―
平安のものが現存するだけですごい。
蝋燭の明かりで煌めく、薄暗い中での菩薩さま、たしかにとても神々しさが感じられそう。

 

82 伝源頼朝像

源頼朝像は今回の目当ての一つ。
教科書だったか資料集だったか、そこに載ってる写真で見てきたものと同じ顔、そして本物が目の前にあるという状況に不思議な感覚。
前回観覧した際の、鑑真和尚座像と対峙した時もこんな感覚があった。
思ったより大きな絵で、身体の造形は簡略化されて直線で描かれている。
顔の描写に注力したんだなという印象。
黒衣は塗り潰してあるのかなとよく見るとちゃんと輪郭線もある。

―音声を聞いて―
まさかの絹に描いているとのこと。
近づいて観たけど和紙だと思い込んでた。
ほぼ等身大ということで、当時の日本人のサイズ感も伝わる。

 

83 浮線綾螺鈿蒔絵手箱

螺鈿の細工?と、下地の夜光貝がキラキラして綺麗。
見る角度で色味が変わるのでそれも良い。
小さいものでもいいからこういうのがなんか一つ欲しいな。
今回一番お気に入りの品。
けどまあ国宝なので一生かかってもこれが手に入る事は無いのです。

 

101 太刀 銘 久国

粟田口派の太刀、やっぱり綺麗だな。
一期一振とは近しいのかな?
(あとで調べたら同じ粟田口派でも作者が違いました)
ゆらぎのある直刃が魅力的。

―音声をきいて―
解説されてた、後の時代の所有者のサインは人が多すぎて確認できず。
でも色々な所有者の手に渡った歴史、主を渡り歩いて時代を経て現代へ。
それも興味深い。

 

110 七星剣

展示ブース前はすごく混雑していたので、前回見たので今回は音声解説だけ聞く。

―音声をきいて―
文様を彫るのに高い技術がいるとのこと。
のちに研磨されてたとは。
錆具合から大切にされていたことが推察することができるなんて。
すごく古いものなのに時を経て錆を落としてこうやって輝きを持っていられるなんて、これまでよっぽど大切にされてきたものと分かるし、それほどしっかり管理できる主の許を渡り歩いてきたのだと思うと、かなり貴重な物なのだなと思った。

 

115 十一面観音立像

前回見たけど、やはり意匠が細かい。
木像だけど布の表現が柔らかい。
改めてみると蓮の花もしなやかさがある。

―音声をきいて―
香木をつかって、一本から掘り出したものだなんて…ものすごく贅沢な品なのだな。

 

135 黒漆平文大刀拵

なんて大きな鞘。
そしてその長さの割に細い。
熱田神宮の真柄太刀も見たことあるけどあれよりもしなやかに感じる。
刀身がなくて拵だけの展示だったので、いつか併せて見てみたい。

 

S-3 四時ノ名勝

前回観たときとは違った季節。
秋と冬。
涼しい空気が伝わってくる。
秋の侘しさと冬の雪景色がすばらしい。

 

23 土偶(縄文のビーナス)

故意に壊されるはずの土偶が完品で出土とのこと。
5400~4500年前のものだなんて。
時を超えて目の前にあること、奇跡だなと。

 

津田健次郎さんの音声ガイド

津田健次郎さんが音声ガイドを担当されると知り、この方が目当てでレンタルを決めました

現地の音声ガイド貸出受付の前に掲示されているポスターには、ナビゲーターの中条あやみさんとともに直筆のサインがありました。
(写真撮っておけばよかったと後悔してます…)

私は美術館の機械をレンタル。
そのため、レンタル機器付属のヘッドフォンを使用してガイドを聴きました。

決して高音質のヘッドフォンではありませんでしたが、それをものともしない津田さんの低音イケメンボイス
穏やかな口調で頭の奥に浸透するように響くその声は、周囲の話し声が気にならなくなるほどの癒しを与えてくれます。

スマホアプリ版の音声ガイドだと自前のイヤフォンで聴けますから、そちらにするともっと深みのある響きを得られたのかなと思うとちょっと口惜しくも感じました。

 

2回見た感想

初見の、知らない国宝が眼前に現れた時の厳かな雰囲気に感動することばかりで、気がつけばぼーっと眺めそうになります。
ただ観覧客が多いのであまりそのように浸れる間はなかったのですが…。

通期展示の品になると、一度見たものとして遭遇します。

それでもそれらが持つ存在感にはあてられますし、何度と眺めたくなります。

 

知っていたかった、という思い

それでもこれだけ国宝に囲まれていられるのも貴重な機会だと実感すればするほど、「観られる機会の少ないものだから知っといたほうが楽しめたのかも」という思いも沸き上がります。

実際に1回目の国宝展観覧の後に、書籍で遭遇した国宝もありました。
15 色絵雉香炉 でした)

この展覧会で見た記憶もあったので、もっとちゃんと見とけばな、という思いがその時滲みました。

知っておくことで、日本国宝展で実物を目にした時の感動も違ってくるので(実際、鑑真和尚座像や源頼朝像は不思議な感動がありましたから)、あらかじめ調べてから行くのもひとつの選択肢だったなと感じます。

 

終わりに

2回訪れた日本国宝展。

金銭的、予定的な都合もあってこのようなタイミングでの観覧になりましたが、もっと余裕があれば最初の期間に展示されていた、金印「漢委奴国王」も見たかったなという思いがあります。

そしてタイトルの大きさの割に、展示替えのペースは早いし、開催期間も短い気がします
おかげで観に行った2回とも(土日ということもあるでしょうが)混雑で、じっくり展示物を見て回れなかったのも事実です。

特に2回目は、巻物などの遠くから覗けないものは観覧を諦めました
国宝というものを扱っている以上制約が大きいだろうことは理解できますけど、(自身の都合も含めて)もうちょっと何とかならなかったかなと思ったりもしました。

けれども別にそれは不満でもなんでもなく、たくさんのお客さんが訪れたということはそれだけ世間からの関心が高いことも意味します。
なんだかんだみんな、こういうものに興味を持ってお金を払って見に来るくらいには文化や遺産、芸術に対して関心があるんだということにどこか安心感を覚えました。

その辺りも含めて総じて言えば満足な展覧会でした。

 

ノボタイル売り切れ

ところでこちらでも記事として取り上げた、黒船様のコラボデザインノボタイル売り切れていました。

限定デザインもきらびやかでしたけど、お菓子もとても美味しいですから、びっくりと同時に納得感もありました。

早いタイミングで1回目の観覧に来て買っておいてよかったです。

黒船様のノボタイルについての記事はこちら

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ミャクミャクゴールデンスタンプ受注販売

日本国宝展には大阪・関西万博の商品が置いてあるブースがあり、私はコラボデザイン手拭いが欲しかったのですが購入はついぞ適いませんでした。

しかしそこに並んでいた商品のうちのミャクミャクゴールデンスタンプについては、美術展ナビオンラインストア様にて、6月30日まで受注販売を受け付けているようです。
こちらが欲しかったけどショップで買えなかったという方はこれがチャンスですね。

ただし、受注販売ですが上限数に達した場合はその段階で受付を停止するそうなので、受注だからと言って期間ギリギリまで決断を先延ばしすると申し込みができなくなる恐れもありそうです。

購入申し込みはお早めに。

その他の美術展についての記事はこちら

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