国宝展を観に、改装が終わって間もない大阪市立美術館へ行きました。
国宝とはどんなものがあるか正直なところあまり知らず、そして基本的に予習もなく展覧会へ。
今回は2番目の展示期間に行った感想などを書いていきます。
きっかけなど
公式サイトにて案内されていたみどころにて漢委奴国王金印があることを知り、ひとまずそれがきっかけで行ってみようと思い立ちました。
そしてその他にも気になる作品があるかと出品目録を眺めていたところ、別の期間に円山応挙や鑑真の像、源頼朝の人物画などを見つけました。
展示期間がバラバラに分かれていますし、いつどれを見に行こうかと悩んだ結果…。
とりあえず金印は諦めて、その他よりたくさんの種類の展示が見られるように2回行くことに決めました。
そして今回はその1回目、2番目の期間(5月13日~18日)に行った感想などを書いていきます。
短文感想
撮影禁止
今回の展覧会は撮影禁止でした。
確かに国宝ばかりなのでそうでしょう。
なので作品名と文字での感想文になります。
19 『雪松図屏風』 円山応挙
円山応挙の屏風絵。
これを見たくて、他の作品との兼ね合いを考えたら金印を諦めることになった。
迫力と勢いのある筆致。
松の葉は一本一本が勢いを付けて引いてある。
なのに全体はバランスよくて墨の濃淡であらわす奥行きと立体感がすごい。
近くでみると力強いのに引いて見ると柔らかみがある。
葉先にこんもりと積もった雪がふわふわしてる感じが伝わってくる。
墨絵だから白黒なのは当然で、あとから記憶を思い返しても確かに白黒の絵なのだけど、墨の黒にどこか色味を感じる。
幹や枝には濃い茶色、葉には深い青緑が。
9 『洛中洛外図屏風(船木本)』 岩佐又兵衛
大きな屏風2枚にびっっっしりと街並みと人々!
人はちゃんと生活してるし周囲と会話したり、ちゃんと生きている。
若冲はあまり詳しくないけど、でも知ってる中で一番好きなのがこの芦雁図。
こんな大きい作品とは思ってなかった。
雁の羽の質感がまるで材質も相まって本物のよう。
手前の枝にかかる雪は解けて凍り直したのかな、と思うような光沢がある。
群鶏図も羽の書き込みと質感すごい。
24 袈裟襷文銅鐸
26 人物画象鏡
ドータクンとドーミラーの共演。(すみませんポケモンの話です)
こんな大きくて綺麗な状態の弥生時代の銅鐸!?
当時の生き物と暮らしが垣間見える。
細かく彫られた古墳美術。
人々や神々の姿、細かい模様に漢字。
この一つの銅鏡にいろんな要素と魅力が詰まってる。
本物を見て、銅鏡がこんなに魅力的なものとは…。
31 蒔絵箏
平安時代の琴、蒔絵が施されている。
色褪せているけど存在感に優美さを失っていない。
隣にあった復元複製品でみると、さぞかし美しかったんだなと。
この展覧会で初めて見知った作品。
左奥には鴨が泳いでるけど、手前の木のほうが生き物みたいに躍動感。
根本は特にいまにも歩き出しそう。
幹は薄墨だけど枝葉末節が黒で勢いよく描かれているから存在感が薄れていない。
だのに梅の花は丸くて柔らかくてバランスがすごい。
87『紅白芙蓉図』 李迪
芙蓉の花の着彩が綺麗。
葉はあせてるのに。
69 金光明王最勝王経 巻第四・巻第五
紫の紙に金の文字の写経。
こんなものあるんだ。
めっちゃ字が綺麗。
行も綺麗に整列してて、よーーくみたらなんか縦線がうっすらはいってる。
縦の行を綺麗に整列して書くためにガイドの線を引いた跡なのだろうか?
73 『古今和歌集 巻第八(高野切第二種)』 源兼行
古今和歌集の最古の写本。
わりと現在のひらがなに近い形が多くてちょっと読めたりする!
101 太刀 銘 久国
粟田口派に太刀ってあるのを初めて知った。
刀剣乱舞初期の知識しかないから…。
刀身が細くて美しい。
好きな一振り。
103 太刀 銘 助包
刃文の波打ち方がおしゃれ。
鎬地もせまい。
けど全体的にシュッとしていて先端に行くほど細身。
鋒も長めで好みの一振り。
111 剣 無銘 附 黒漆宝剣拵
両刃の儀礼用の刀剣。
中華の影響が大きい頃の日本、ってイメージが確かにある。
113 短刀 銘左/筑州住(号じゅらく(太閤左文字))
太閤さんの愛刀うとのこと。
鞘には葵の紋が入っていた。
114 薬師如来坐像
正面に立つのがなんだか恐れ多かった。
こんなに近くで見られるなんて。
確かに木でできてる。
手の甲の爪や指の節までしっかり彫られてる。
映像コンテンツ
高橋英樹さんが秀吉目線でナレーション。
英語字幕がついている。
亡き息子鶴松への思いを詩的に語る。
映像も美しいけど、語りの内容をよく聴いておくとそちらのほうが感情に訴えかける。
数分程度の短い映像なので、すぐ見終われる。
41 薬師寺東塔 水煙

こちらの展示のみ撮影が可能でした。
薬師寺東塔のてっぺん。
仏様が降りてきて笛をふく模様があるなんて。
高い位置に設置されるもので地上からはわかりづらいだろうに、しかし天に近いところだからという理由でもあるのか、意匠がしっかり施されているなんて。

40 聖観音菩薩立像
説明文にもあったけどスタイルが良い。
シュッとしててイケメン。
S-4 『義経高松ノ図額』 荒川嶺雲
一枚板を掘って義経。
鎧のゴツゴツ感と馬の毛並み、手前を流れる皮の激流が彫刻ですごく再現されてる。
S-3 『四時ノ名勝』 川端玉章
この展覧会で初めて見知った絵だけど、その空気感に驚いた。
2枚の大きな画面に季節がおさまってる。
一目見て風雅で綺麗な絵。
本当にその風景を見おろしているような感覚。
51 普賢菩薩騎象像
象に乗っているのが一瞬奇抜に思えたけど、普賢菩薩さまを見たらなんだか柔らかくていい雰囲気の方な気がした。
42 鑑真和上坐像
鑑真さんの像。
教科書や資料集でしこたま見た写真のやつのたぶん本物がこれ。
造形と大きさがリアル。
本人に出会えた感がある。
58 四天王立像のうち持国天立像
迫力がすごい。
背中側に背負った模様と剣とかも、近くで見ても分かりづらかったけど木製!
背負ったもよう、よく見たらちゃんと立体的に彫ってある。
22 深鉢形土器 (1)火焔型土器 (2)王冠型土器
5400-4500年前の土器!
縁にある持ち手のような造形には、空洞まで作ってあって技術高い
展示順
3つの展示室を使っての大規模な展覧会でした。
そもそも一つ一つの美術品が大きいものが多いです。
そういう意味では、多少の人波があっても一歩離れたところから鑑賞ができたので良かったです。
そしてその大きい美術品の多さや展示替えの多さがあるからでしょうか。
一部の作品は出品リストのナンバー順に展示されてはいませんでした。
「展示期間中なのにこの番号の作品が見当たらない」と思ったら、おそらく別の展示スペースにて展示されているはずです。
第1会場の入り口で自由に手に取れる紙媒体の出品リストに、展示室ごとの期間別展示品が記載されたフロアマップが挟み込まれていますので、あらかじめ展示場所確認したい方はそれを手に取っておくとよいと思います。

所要時間
気になった作品はしっかり見つつ、それ以外の作品はさっと見て回って、約2時間20分の時間がかかりました。
複数の展示室を使っての展覧会であることと、混雑していることもあってか、他の展覧会より見て回るのに時間がかかったように思います。
混雑具合

日曜日に9時30分(開館時間)の時間予約をして行ったのですが、20分前に美術館に到着の時点で、予約来場のお客さんがたくさん列んでいました。
そして開館直後から多くの人で展示物の前はごった返し、美術館の中も混雑しているなと感じました。
展示を見終わって12時過ぎに美術館を出たところ、予約なしで来館のお客さんは30分の待機列が出来ていました。
土日に訪れる際は予約優先制となっておりますし、予約していないと基本的に待ち時間が発生していそうです。
その日の混雑状況をお知らせしている公式のX(旧Twitter)アカウントがあるようなので、この日本国宝展に行かれる当日にはそちらのポストを確認するのが一番良いですね。
ポストを見る限り平日でも、チケットを事前に購入した方はスムーズに入館でき、美術館で当日券を購入する列は午前中に待ち時間がありそうです。
国宝展ミュージアムショップ
日本国宝展のミュージアムショップには様々なグッズが並んでいました。
公式サイトで案内がされているものや、定番のグッズ以外で目に入ったもの。
そして食品系を簡単に書き出しました。
グッズ系
- 土偶のビーナスグッズ(ぬいぐるみその他)
- 桜図・楓図のビールジョッキ、954パズル
- 船橋蒔絵硯箱ぬいぐるみ
- 縄文土器ぬいぐるみ
など…
万博グッズも置いていました。品数が多いのでちょっと書き出しきれません。
食品系
オリジナルパッケージドリップコーヒー
5袋入り 1,500円
ノボタイル(オリジナル缶)
12枚入り 2,500円こちらのグッズは後日単独で記事を公開予定です。
十六夜のすず
木苺(8粒)、ピスタチオ味(8粒) 16粒入り 1,840円
鬼サラダ、ハッピー(マヨネーズ味)、牛せん(ガーリック味) 各 780円
支払い方法
日本国宝展ミュージアムショップの支払方法には下記の決済手段がありました。
QR決済はPayPayのみです。
現金
各種クレジットカード
QR決済
PayPay(QRコード読み取り)
電子マネー
WAON、iD、楽天Edy、nanaco、PASMO、Suica
大阪市立美術館のそのほかのスポット
美術館のミュージアムショップ
大阪市立美術館のミュージアムショップは地下一階にあります。
正面の大階段の向かって右脇にある自動ドアから中に入ってすぐです。

手荷物ロッカーの数も十分
美術館に入館した入り口によって、最初に目に入るロッカーがそれぞれあります。
荷物を預けようとして最初に目についたロッカーが満杯でも、他の場所にもありますのでそちらも確認してみてください。
確認できたのは3か所です。
- 正面の階段上らず右脇自動ドア入口(地下1階)のチケット売り場の奥
- 階段上って正面口玄関入ってすぐの左右両側
(地下一階のチケット売り場すぐ横のエスカレーター昇って両側)
ミュージアムカフェ
ミュージアムカフェは1階エントランス入って正面の2階へ続く階段の右奥にあります。
この日本国宝展の期間中、正面の入り口周辺は展覧会観覧者の整列用にカラーコーンとバーで規制されていてチケット購入者しかエントランスに入れない形になっています。
ですので、ミュージアムカフェのみ利用の方は建物の裏から回って入る必要があります。
見終わって
今回の展示、出品リストを見る限りほぼほぼ国宝で、本当にとんでもない空間だと思います。
初めて知った作品が圧倒的に多いですが、それよりも ”鑑真和上像の本物” とか “円山応挙の本物”、 ”若冲の本物”、“銅鏡の本物”とか写真や教科書で見知ってるものの “本物” が目の前にあるのが不思議でたまりませんでした。
この展覧会で初めて対面したものも、ほとんどが今後またお目にかかれるかどうかわからないものと思うと、貴重な空間に立ち会っている時間が凄く価値のあるものに思えました。
上に所要時間も書きましたが、体感上ではそこまで時間がかかったようには思っていませんでした。
内容が濃くて、本当に良い時間になったと思います。
初心者でもおすすめの美術展
大変充実の日本国宝展でした。
初めて訪れた大阪市立美術館もとても美しい建物でした。
展示替えも頻繁に行われていますし、多くの方が名前もしくは写真などで見聞きしたことがあるような逸品も展示されています。
芸術作品に限らず、歴史上のポイントとなった遺物も多くありますし、特に後期日程のほうには歴史の教科書で見た源頼朝の絵も展示予定ですから、それ目当てでも良いですね。
美術館に普段なかなか行かない、あまり詳しくない方でも目を引く展示があまたありますので、「”とにかく貴重なもの”を見に行ってみる」というスタンスでいると楽しめると思います。
そして大阪では初の国宝展らしいので、近隣に在住の方は滅多にない機会だと思いますので訪れるのをお勧めします。