2024年の9月から12月まで神戸市立博物館にて開催していた「デ・キリコ展」を観に行ってきた感想です。
「ジョルジョ・デ・キリコとは誰だろう?」と思って広告を見ればとても不思議な作品の写真が載っていました。
人の頭っぽいのに、何が描かれているのかわからない。
このような絵画だと正直なところ、「これ初心者的には観に行っても面白さがわからないのでは?」と思いませんでしょうか。
しかしそれでも、初心者や素人でも楽しめたらいいなと希望をもって訪れてみました。
するとこれがなかなか、予想以上に楽しめる作品がたくさんありました。
奇怪な作品が多く並ぶこの展示は人を選ぶかもしれません。
しかしその中に面白さがあります。
この記事では初心者・素人目線で、初めてデ・キリコに触れる人にとって参考になればと思い解説しました。
撮影可能な作品もいくつかありましたので、どのような作品があるかぜひご覧になってください。
筆者の知識
- 印象派は少し知ってる
- (名前と代表作1〜2つ、程度)
- 他の時代の画家は断片的な知識
- (名前くらいはそこそこ聞いたことある、くらい)
ジョルジョ・デ・キリコは初心者にもわかる?
ですが”不可思議さ”が好きな方には楽しめます。
”デ・キリコ”といえば「形而上絵画」です。
しかし「それは何?」と思いますよね。私も思います。
形而上絵画についてどのような物か調べてみても私には理解に至りませんでした。
しかし実際に作品を見てみればそのような小難しい話は気にならなくなります。
とりあえず、「不可思議さ」を感じることができます。
どこか空間が歪んでいるような、どこか物体の状態がおかしいような、どこか違和感があるような…。
描かれているそのものがおかしかったり、描かれているものはわかるけど配置のされ方に違和感があったり。
とにかく現実的なものと非現実的な物の狭間がそこに在るような気がします。
奇麗な絵や荘厳な絵、バランスのしっかりとれた写実的な描写を好む方には、これらが不快なものかもしくは目新しいものに映るのかもしれません。
少なくとも私は「違和感が面白い」と感じました。
なので「初心者にもわかるかどうか」という視点で言えば、同じ初心者・素人の私から見て「よくわかりません」でした。
ですが分かるかどうかを差し置いて「楽しむ」ことは大いにできました。
初心者の方でも今後デ・キリコの作品を観覧する機会が訪れることがあれば、物怖じせずぜひ足を運んでもらいたいです。
そこにある”不可思議さ”や”奇怪さ”に不快を感じなければきっと楽しめると思います。
今回の展示ではいくつかの作品が撮影可能でしたので、写真を載せています。
これらをご覧になってみて、今後デ・キリコの展覧会があった時に”楽しめるかどうか”の参考になれば幸いです。
展示作品
掲載されている写真はすべて、展覧会にて”撮影OK”と表示されていた作品です
『闘牛士の衣装をまとった自画像』

この作品については自画像ですので、上で説明した”不可思議さ”は描かれていないものと思います。
『沈黙の像(アリアドネ)』

『孤独のハーモニー』

『預言者』

『形而上的なミューズたち』

『風景の中で水浴する女たちと赤い布』

『オデュッセウスの帰還』

『瞑想する人』

形而上絵画での発見
デ・キリコの作品をじっくりと観たのは今回が初めてのことです。形而上絵画、新形而上絵画の頃の作品を観ていて気付いたことがありました。
それは、関連性のないものが空間に自由奔放に存在する中でも、光源と影がしっかり設定されていたことです。
たとえば、今回撮影可能な作品の中で私が一番気に入った『球体とビスケットのある形而上的室内』

こちらもモチーフが自由に存在していますが、光源が手前にあり、影が左奥に向かって伸びています。
これだけいろんな物が重力やパースを無視して存在しているのに、影だけはちゃんと理に則っているのがやはりプロの画家たる方としての技術だなと。
加えてそういう描写もちゃんとしているからこそ、形而上絵画のオブジェクトがただ配置されているだけでなく、確かに存在しているように感じる原因になってるんだなと思いました。
感想まとめ
この展覧会の開催を知るまで、デ・キリコという画家は知りませんでした。
『バラ色の塔のあるイタリア広場』を、どこかでなんとなく見たことあるかなーという程度の認識でした。
ですが、せっかくやってる展覧会。また、山田五郎先生のチャンネルでの動画も見て興味を持ったことで、展示を楽しむことができました。
山田五郎先生のYouTubeチャンネルは、絵画初心者にとって美術館を楽しむうえでは非常に心強い教材です。
知らない画家の展覧会でも、下調べをしたうえで興味を持って楽しみながら、今後もこちらで感想を綴っていきたいと思います。
2024年9月14日 – 2024年12月8日
神戸市立博物館