美術館に行きたいと思ったとき、”何が観たいか”、よりも、”こういう条件で探してる”、というときってありませんか?
たとえば、
- 子供が楽しめる展覧会を探している
- 有名な油絵より親しみやすい絵を見るほうが好き
そんな方々にはこの展覧会はぴったりです。
「2025 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 」 はアマチュアからプロまで、発表済みから未発表まで平等に審査される、ボローニャで行われている絵本原画のコンクールの入賞作品がたくさん見られます。
通路も広く、子供連れも多くて、それでもゆったり見られる展覧会です。
もちろん大人だけのグループやお一人様も楽しめます。
(執筆者自身も一人で観に行って楽しめました)
どんな人でも心温かな時間が過ごせる展覧会です。
そんな絵本原画展の感想・美術館内の環境をまとめました。
おすすめのポイント
気楽に見たい方にぴったり
「名画と言われていても西洋絵画や浮世絵とかはちょっとハードルが高い」
と思うなら、この現代の絵本の絵が見られるてんらんかいは良いと思います。
世界各国の絵本の原画が一堂に会して展示される展覧会。
内容は様々ですが、絵本の原画ということもあってどこか温かみのある絵が数多くあります。
執筆者自身は普段西洋絵画もよく見ますがこちらも楽しく見ることができました。
この展覧会は、普段美術館に足を運ばない方も、絵を眺めているだけで子供から大人まで楽しめます。
子供連れでも問題なし
「小さい子供がいるから美術館に行くのは控えている」
という方にとってもここは良いかもしれません。
私が訪れた時も多くのお子様連れの方が来館していました。
ベビーカーを押してる方も何組か見かけました。
展覧会の開催されているこの大谷記念美術館は通路も広くて快適で、通行の際に多少幅を取って歩かざるを得なくても問題ありません。
時折大きな声を出すお子さんや駆け回っている子が見られましたが、お互いさまでもありますし、展覧会の内容からしてもさもありなんという許容する雰囲気が感じられました。
(常識的な親御さんばかりだったのもあると思います)
大人だけ、お一人様もOK
もちろん大人だけで訪れても楽しめます。
ちなみに私は一人でしたが問題なく楽しみました。
カップルと思われる方やお一人様の姿もよく見かけましたから、大人だけの鑑賞ももちろん問題ありません。
いろんな層の方がおられたので、浮いていて目立たないだろうか、という心配も必要ありません。
展示順は自由に移動できる
全展示室どの順番でどこから回っても大丈夫です。
一応、順路の案内はされていますが、必ずしもその通りでなくても注意を受けることはありません。
美術館内全体でひとつの展覧会を開催してますから、逆走の規制などもありません。
お子様連れの方場合、子供さんの気分に付き合ってあっちこっち行ったり来たりすることになっても気兼ねなく移動できます。
展示の入選作品が読める
展示ルートの最後には出展作品のうちの一部の試し読みコーナーがあります。
実際に原画を見て気になった絵本をここで手にとって、文字が載って本になったその形で見ることが出来るのは嬉しいですよね。
ただ海外の作家さんがほとんどで絵本も原文のものなので、私は外国語が分からないので中身は読めませんでした。
こちらでは絵本の表紙のみ撮影が可能です。
実際に手に取ってみて良かったなと思えば、ミュージアムショップにて販売をしているのでぜひそちらへも寄ってみてください。
展示ごとのピックアップ短文感想
1 『仮面の夜』 アン・キョンミ 韓国

白黒で木炭やパステルで描かれている、一見不気味な画風。
シンプルな輪郭ながらもリアルな目鼻立ちの人間。
世界中で均一化された美醜の価値観から、顔を付け替えて外面ばかりが良くなっていく人々。
ストーリーを読み解けば自己の同一性?探求?
自分とは何か、本当はどうありたいのかを考えさせられるお話に、この不安定で空虚感の漂う画風の絵がマッチしてます。
奇怪なもの好きにはハマりそう。
2 『宇宙から来たマイクロうさぎ 』 アレッシオ・アルチーニ イタリア

パースが取られてデッサンもしっかりした作画。
影や彩色も巧みで、その作画の技術力が際立っています。
柔らかく温かみのある色味とうさぎの可愛さで、「ほんとにこの子らが来たら」と思うと癒されます。
画用紙のような表面が少しざらざらした紙に、水彩絵の具がメインで描かれているので、雰囲気がとてもほんわかしていていつまででも眺めていられます。
9 『冷気の巨人 』 パトリツィア・コロンボ イタリア
空間を大きく取る構図で、登場する巨人の大きさが見て取れます。
同じ空間の空気や遠景をぼんやりと彩色することによって、霧や靄が発生しているように見えて、その異形の存在する違和感が強調されています。
巨人が登場する作風において、これらの効果は本領を発揮していますね。
一方人間などの低い目線で、近くにある植物は細かくしっかり描きこまれて描写がされてます。
このメリハリも対比が効いてて良いですね。
36 『ぼくらの農園は、すへてがかんぺき 』 マリヤム・マフムーディー=モガッダム イラン
横長の画面にそれを活かした構図。
色使いも赤と黒が目立っていてとても目を引きます。
濃くビビッドな赤の色合いで視線獲得に強く、黒を基調とした画面作りで全体的に引き締まっています。
登場する人や物をぱっとみて形が掴みやすいから、その場面がどういう状況なのかが捉えやすいです。
それゆえに見逃しがちになるけど、よく見たら細部も細かく描き込みがされていました。
60 『夜がこわかった吸血鬼の女の子 』 マリアナ・ルイス=ジョンソン アルゼンチン

画用紙に色鉛筆で着彩したような温かみのある雰囲気。
デジタル作画も取り込んでいるみたいですが、それを感じさせないアナログ感が出ていました。
描かれているモチーフはオカルトチックで恐ろしいものだけど、キャラクターデザインは可愛らしい。
説明されていた物語も温かく、愛を感じます。
展示室内の環境
休憩する場所は十分ある
各展示室内には椅子がありませんが、エントランスやエレベーターホール、ミュージアムショップ横に長椅子があります。
数も多めにありますので、基本的にはどこかは座るスペースが空いていました。
また2階の展示室奥には、休憩用の部屋も用意されていましたので、少し長めにゆっくりしたい方にとってはこちらのほうが利用しやすいかもしれません。
エレベーターも分かりやすい場所にある
展示は1階と2階の両方にあります。
ルート移動のメインの手段としてエレベーターが設置されているようで、エレベーター前のホールは広くとられています。
ベビーカーや車いすでも利用しやすいと思います。
複数個所にある階段は幅も広く、上る人と降りる人のすれ違いも容易です。
たとえば小さな子の自力での階段の上り下りを見守っていても、他のお客さんが気にすることなく横を通り抜けられるだけの幅が十分にあります。
床はカーペット
一部の場所を除き、展示室や廊下、ホールなどの床はカーペット敷きになっていたので、小さなお子さんが突然転んでも大怪我にはならなそうです。
空調の効きなど
空調は強すぎず心地良く、暑い外から入ったあとは涼しかったです。
暑がりの人にとってはもしかしたらやや効きが物足りなく感じるかも。
展示室内はハンディファンや扇子なども禁止なので、エントランスで十分涼んでから展示を回るように案内されています。
混雑具合
訪問日時 2025年8月16日13時00分ころ
開催期間初日のお昼過ぎに訪れましたが、さほど混雑していませんでした。
(かと言って、お客さんが少ないわけではありません)
館内は往来スペースがとても広く取られています。
子供連れの方々も多く、ベビーカーで来館の方もおられました。
ですが邪魔に感じるようなことはないほどに鑑賞スペースは広々としています。
絵本原画の展覧会ということで、お子さんもよく見かけますし、多少声を上げてしまっても許容される雰囲気がありましたから安心して連れて行くことができますね。
鑑賞時間
さっと見て 30〜40分くらい
じっくり見て 1時間ほど
(大人一人で見て回った際の鑑賞時間目安です)
展覧会について
美術展グッズ
グッズは公式サイトにて案内がありますので確認してみてください。
こちらに乗っているもので展覧会グッズは全てでした。
また、原画が出展されている作品の原文版の絵本が販売されています。
こちらは 4,000~5,000円台のものが多かったです。
(物価高か円安の影響か、そもそも現地でも高価なのか。それなりに良いお値段しますね…)
支払い手段
各種クレジットカード
QRコード決済OK
楽天Pay、au Pay、 d払い、メルペイ、PayPay
(電子マネーは不可のようでした)
気を付ける点
写真撮影はOK、でも公開は慎重に
館内、展示品も含めて撮影可能でした。
ですが、展示品自体はその絵の作者に著作権があります。
SNSにアップすると著作権侵害になりえますので、公開は控えたほうがよいでしょう。

ミュージアムショップのみの利用は不可
こちらの大谷美術館は、入館自体に観覧チケットの購入が必要です。
ミュージアムショップは美術館内にありますので、ショップだけの利用というのは基本的にはできないみたいです。
ですが目的の商品がはっきりしている場合、係員に申し付けて取って来てもらって入り口で決済ということは可能なようです。
(係りの人に確認を取りました)
展覧会情報
開 催:西宮市大谷記念美術館
展覧会:2025 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
会 期:2025年8月16日(土)〜 10月13日(月・祝)
休館日:水曜日
時 間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
2025 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
西宮市大谷記念美術館 特設サイト(otanimuseum.jp)
まとめ
「2025 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 」についての感想等を述べてきました。
展覧会名にもある通り”原画”展なので、実際の作品がたくさん見られます。
ジャンルも画風も多種多様なので、きっとお気に入りの絵が見つかるでしょう。
この大谷記念美術館では毎年この展覧会が行われているようですので、行ったことのない方は直近の機会にぜひ訪れてみてください。
