京都で開催されている「どこ見る?どう見る?西洋絵画!」展へ行ってきました。
公式サイトに挙げられている画家をほとんど知らない私が、予習なしで観に行ってどう思ったかどう感じたかを書きました。
「美術詳しくないし…」「初心者だからちょっと腰が重い…」などあると思いますが、私も素人だし初心者です。
そんな方たちにも行ってみようと思えるように解説しています。
そして、これから行ってみようと思ってる方や、ちょっと興味のある方などにも、今回の美術展の状況や京セラ美術館の施設についてなど、気になりそうなことを初心者・素人目線でまとめてみました。
筆者の知識
◎ (名前と代表作1〜2つ、程度)
◎ 他の時代の画家は断片的な知識
(名前くらいはそこそこ聞いたことある、くらい)
初心者・素人目線!
この展覧会のポイント
● コンパクトで飽きさせない展示
● どこ見るポイントが面白い&興味深い
● 初めての美術鑑賞におすすめの美術展
会期、場所
開催地 : 京都市京セラ美術館
美術展 : どこ見る?どう見る?西洋絵画!
ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館
→ 「どこ見る?どう見る?西洋絵画!」公式サイト (art.nikkei.com)
会 期 : 2025年6月25日(水) 〜 2025年10月13日(月・祝)
休館日 : 月曜日 (ただし祝日の場合は開館)

混雑具合
私が観覧した日は7月6日日曜日。
11時15分 に入館し、
12時30分 に見終えることが出来ました。
展示室内は広々していてお客さんもさほど多くなく快適に見られました。
お昼を回った辺りから気持ち人が増えたかなという印象はありますが、それでもゆったり観覧することが出来ました。
鑑賞時間
じっくり見て 1時間15分〜1時間30分
さっとみたら 45分〜1時間 くらい
全体で60作品の展示でした。
手元で作品の感想を書き込みながらじっくり見て、1時間15分〜1時間30分といったところ。
気になった作品だけだったり、掲示の解説文をあまり読まなかったりする場合など、さっとみたら1時間かからずに見終えることが出来ると思います。
展示室内の環境
休憩ポイント
序盤から広めの展示室内でしたが、最初の室内にはベンチなしでした。
ですが中盤から後半にかけて、ほぼ各展示セクションごとに休憩用ベンチが設置されていました。
時間帯によって変わるかもしれませんが、お客さんもさほど多くないので混み合うこともなく、展示ルートも短めなのでいつでも十分座れると思います。
展示ルート中間地点にはお手洗いもあります。
このお手洗いは男女別で、それぞれに車椅子用のトイレも備わっているようです。
道幅は広く車椅子もOK
展示室内はスペースが十分に取られています。
作品鑑賞中のお客さんがいてその後ろにベンチが置いてあっても、通り抜けられるだけのスペースが十分にあります。
実際に電動車椅子でお一人で来場している方も見かけましたし、その際に係員の手を借りずに鑑賞できているようでした。
展示室同士のつなぎ目には段差がありましたが、スロープも設置されています。
空調の効き強め
展示室内の冷房はしっかりめに効かせてあった印象です。
当日の天候や自身の体調の関係もあるかもしれません。
ですが、寒さに弱い人は肌寒いと感じることもあり得るので、不安な方は念のため羽織りものを持って展示室へ入ったほうが良いでしょう。
ロッカーなど、料金や使用状況も含めて
場所と数や使用状況
地下1階チケット売り場横ロッカー
地下1階入り口入って少しまっすぐ進むと左手にチケット売り場があり、その右奥に一つ目のロッカーがあります。
ここは170区画あり、数も多いので問題なく空きが見つかると思います。
1区画分はリュックを横にすれば入れられる高さで、奥行きは十分。
2つだけ4区画分の大きさの大きなロッカーがありますが、ここが空いてるかどうかは実際に行ってみないとわかりません。
このロッカーは出入口が一か所しかなく、また区画数の割にはスペースが狭いので、タイミングによっては混雑することもあるかもしれません。
地下1階ミュージアムショップ奥ロッカー
地下1階入り口入ってすぐ左、ミュージアムショップ奥の突き当たりを右に曲がると、そこに150区画のロッカーがあります。
奥まった場所にありほぼ使われていないようで、この日はほぼすべてが空きでした。
通路も広く展示室へ続く動線上にないので、とても広々ゆったりと利用することができます。
1階中央ホール奥ロッカー
1階エントランスの奥にあるテラスの前のロッカーは60区画。
テラスの奥には別館展示室(東山キューブ)がありその最寄りのロッカーになります。
写真撮影時はこの東山キューブで草間彌生さんの展覧会があり、ロッカーは8割方は埋まっているように見えました。
2階回廊奥ロッカー
1階中央ホールから2階に上がると回廊があり、その奥のテラス側両側にロッカーがあります。
こちらはそれぞれ10区画ずつで、利用頻度も低いけど数が少ないのですべて埋まることもあり得そうです。
2階での展覧会鑑賞の際にこの場所を当てにするのはちょっと勇気がいりますね。
料金
利用の際に100円硬貨が必要ですが、利用後はその100円が戻ってくる仕組みになっています。
なので実際の利用料金は無料となっています。
トイレ、多目的など
建物は地下1階から2階まであり、エントランス入り口は地下1階にあたります。
どの階にもチケットなしで立ち入ることが出来るエリアがあり、お手洗い、多目的トイレは全ての階のチケットなしエリアに備えられています。
なお、多目的シート設置ありの多目的トイレは地下1階と1階、オストメイト対応は地下1階のみになります。
地下1階・入り口横
場所が男女で少し離れています。
地下1階入り口入ってすぐ、左に曲がればミュージアムショップ前に女性用と女性用多目的トイレ、右に曲がればミュージアムカフェの入口横に男性用と男性用多目的トイレがあります。
地下1階・ショップ奥
地下1階入り口入ってすぐ左側ミュージアムショップ奥の突き当たりを右折し、ロッカーを通り過ぎたさらに突き当たりに、共用多目的トイレ、そして男女別トイレがあります。
1階中央ホール奥
1階中央ホールを抜けると階段のある広間に出ます。右手側に男女別トイレと多目的トイレがあります。
多目的トイレは男女共用ですが、男性トイレ側の入口前にあるので一見すると男性用と見紛うかもしれません。
女性にとってはちょっと入りづらいかもです。
ベビーシートつき個室は女性用のみ。
2階階段横
2階トイレは、1階中央ホールの階段を上って北側展示室すぐ横にあります。
入り口がこじんまりしているので近づかないとわかりづらいかもしれません。
間口入ってすぐ正面に男女共用多目的トイレ、左右に分かれて男女別トイレがあります。
その他エントランス内施設
エントランス奥から他のフロアに通じる途中、階段のある広間にベンチあり。
2階回廊にもベンチあり。
2階談話室
1階中央ホール奥の広間の階段から2階に上がると談話室があります。
ここは誰でも利用可能で、談話室といっても休憩に利用されてる方もいます。
この美術館内で一番座り心地が良い椅子があるのもここだと思います。
談話室内には美術館の模型があるので、箱庭好きな方にはおすすめです。
常設ミュージアムショップ
地下1階入り口入ってすぐ左側には常設のミュージアムショップがあります。
細長いですが店舗スペースが広く取られていて品揃えが豊富です。
決済手段は各種クレジットカード、QR決済、電子マネーが使用可能です。
「どこ見る?」展について
美術展ミュージアムショップ
「どこ見る?どう見る?西洋絵画!」展のミュージアムショップはチケットなしでも入れます!
大抵の美術展特設ショップは展示ルートの最後にあって美術展を観覧した人しか入れなくなっているのですが、このショップはチケットを持っていなくても出入り自由でとても良心的です。
ただそれゆえに展示ルートの最後とショップの間にはゲートが付いていて、展示室を出てミュージアムショップに入るともう展示室へ戻れない形になっています。
ショップでグッズを見て改めて気になったらもう一度展示作品を確認しに行く、という動きを普段している方には違う立ち回りが求められそうです。

支払い手段
- 各種クレジットカード
- QRコード決済
- 電子マネー
が使用可能のようでした。
どの種類があって何がない、など細かい確認はできませんでしたが、普段街中で使える種類はおおむね揃っているようです。
(ただしAlipay、WeChat Pay、銀聯カードについては未確認です)
美術展グッズ
公式サイトには代表的なグッズがいくつか掲載されていましたが、実際にはとてもたくさんのグッズがありました。
全ての写真や価格は網羅しきれませんが、公式サイトに掲載がされていないと思われる種類などのメモをできる限り書き出しておきます。
グッズ系
・コラボグッズ
ねずみくんのチョッキコラボTシャツ(130cm,M,L)
ねずみくんのチョッキコラボA5クリアファイル、ねずみくんのチョッキコラボステッカー、ねずみくんのチョッキコラボダブルリングノート
pouchコラボタオル、capaコラボポーチ
・作品グッズ
太陽クッション、羽根ポーチ(ホワイト柄紫,グリーン)
フロストボトル
アクリルワイヤーキーリング、シールセット
トレーディング缶バッジ、角丸マグネット
剥がせるステッカー、クリアマスキングテープ
キーホルダー
文具系
クリアファイル(A4,A5)、マットクリアファイル、
インデックスペーパーフォルダ
ポストカード(多種)、ポストカード大、ダイカットポストカード
ポストカードボックス(ポストカード10種入)
A4サイズ額絵、アートファインボード(F3,M4)
箱入りブロックメモ、一筆箋
クリアブックマーク、文庫本サイズしおり(4枚一セット)
クリア栞セット 、ブックカバー(新書サイズまで対応)
卓上縦型カレンダーサイズのホワイトボード(B6サイズ?ペン付)
衣類・装飾品系
エコバッグ、マルシェトートバッグ(帆布)、ミニトート(ポリエステル地)
キャンバストートバッグ内側撥水加工
靴下(22-24,25-28)
大判ハンカチ、刺繍ハンカチ
刺繍シャツ(M,L,XL)、Tシャツ4種(M,L,XL)
ポーチ3個セット(モチーフ刺繍入、モチーフ柄、写真柄)
ヘアクリップ、ピンバッジ
ネックレスアクセサリー、刺繍ブローチ
食品・飲料系
マリアージュフレール
マルコポーロ
¥3,996
ライム&ジンジャー
¥4,860
ハンブリーメイド
コーヒー豆100g オリジナルブレンド
¥1,620
ハンブリーメイド
ドリップコーヒー12g オリジナルブレンド
¥340
キャンディポーチ
飴5個入り
¥880
写真撮影は可能か
美術館内
可能
はっきりと可能という明示はされていませんが、禁止という案内もありませんでした。
他のお客様のプライバシーに配慮した上で館内は自由に撮影が可能と思って良さそうです。
「どこ見る?」展作品
可能
今回の展覧会は全ての作品が撮影可能でした!
他のお客さんに対して配慮さえすれば、遠景で撮影しても注意を受けることはありませんでした。

展示見どころ
全部!といいたいところですが、その中からあえて絞ります。
やはり公式サイトの”見どころ”として挙げられている絵画ははずせません。
フアン・サンチェス・コターン《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》や、マリー=ガブリエル・カペ《自画像》など、特に、「写真・画像で見るよりも実物で見たほうが緻密さが分かる絵画」というものがたくさんあります。
写真ではどうしても表示サイズや解像度に限界があります。
実物は写真以上に滑らかかつ綺麗な質感での描写が間近で見られますので、ぜひ美術館にて実感してもらいたいです。
展示の流れ
展示作品は以下の流れで展示されていました。
- 年代ごと
- ルネサンス
- バロック
- 18世紀
- 19世紀
そして前半はそれらのキャプションの中でも、国や地域ごとにカテゴリ分けがされています。
詳しくは公式サイトの作品リストから確認できます。
ちなみに案内されている通り、美術館では紙の出品リストは配布されていませんので、出品リストを見ながら鑑賞するスタイルの方は、スマホ画面に表示させるかもしくはあらかじめ印刷して持って行くことをおすすめします。

「どこ見る?」展の感想
事前予習なしで行った
公式ウェブサイトの野菜や果物の静物画がとても緻密で、静物画や風景画が好きな私は「これは私が好きな展覧会だ」と直感しました。
日本初出品の作品や、国立西洋美術館(東京)の所蔵品がやってくるこの機会。
とにかく逃すことは出来ません。
代表的な作家として紹介されている面々はこれまであまり触れてきたことのない作家ばかりで、エル・グレコ、ゴヤ、ルーベンス以外はまったくの無知です。
(今挙げた作家ですら名前は存じてるものの、作品を一つ知ってるか知らないか程度)
本来の私の鑑賞スタイルからすれば、画家ごとの代表作や生い立ちをWikipediaで軽くなぞってぼんやりと浅く知識を持ってから鑑賞します。
しかし今回は
“「作品をどのように見ると楽しめるかという観点」から、鑑賞のヒントをご提案”
公式サイトから引用
と、公式サイトにて案内されていました。
そういうことならと今回は事前に確認する情報は公式サイト内の記載のみに留めて、あとは美術館で実際に観た感想や雰囲気を大事にしようと決意。
そうして実際に予習なしで美術展へと行きました。
(ちなみにこの項目も鑑賞前に書きました)
鑑賞後感想、どう見ると良かった?
キャプションをちゃんと読む
あとから思えば、キャプションをもっとちゃんと読めば良かったかもしれません。
特に初心者・素人であれば、その作品の描かれている時代の背景や主な画家同士の繋がりが分かりません。
これらの情報は展示作品の合間にあるキャプションにて解説されていることが多いので、ここを流し見せずに噛み砕くと面白さが増すと思います。
ここ見るポイントを活用
この美術展の特色としてあるのが、どう見るかのワンポイント解説。
これが初心者・素人でも取っつきやすかったです。
“〜なところが当時は革新的”のような当時の背景に触れるものから、“邪悪な顔は一度見たら忘れられない”みたいなキャッチーなコメントまで様々で、作品の詳しい解説文が堅苦しく感じる人も、このワンポイントのおかげで違う視点から楽しく見られると思います。

全体の流れを掴む
今回の美術展は年代ごとに章立てされて時系列に展示がされていました。
章立ての冒頭の説明文を読むことで時代をぼんやりと掴み、作風がどのように変化していくか、なにが流行っているか、流れも少し意識して見ることでまた違った知見を得られるかもしれません。
作品ごとの短文感想
1 〈父なる神と天使〉 ジョット(ジョット・ディ・ボンドーネ)
2 〈バーリの聖ニコラウス〉 ジョヴァンニ・ボンシ
キャンバスではなく板に描かれていた。
板地に描かれてるとキャンバスとはまた違った雰囲気。
テンペラってどういう技法だろう?
よく分からないけど油絵とは違うのかな。
5 〈聖母戴冠〉 ルカ・シニョレッリ
笑顔ではないけど目が優しい。
板に描かれているのに肌が艷やかで綺麗。
木枠の彫刻も豪華。
7 〈マグダラのマリアの回心〉 ベルナルディーノ・ルイーニ
背景が暗いし、影が濃い。
でも画材の風合いは豊かで人物の表情は明るい。
どういう場面なのだろう?
雰囲気が色々混じり合ってるように感じる。
11 〈男性の肖像〉 ジョルジョーネ(ジョルジョ・ダ・カステルフランコ)
「なんで? これまでは脚色されてたの?」
どこ見るポイントで、肖像画が現実的に描かれることが革新的だった、ということに対して。
9 〈聖家族と聖アンナ〉 ヴィンチェンツォ・カテーナ(ヴィンチェンツォ・ディ・ビアージョ)
10 〈アポロとダフネ〉 パオロ・ヴェロネーゼ(パオロ・カリアーリ)
陰影がすごいリアル。
絵画に凹凸があって美術館内の照明で作品内のオブジェクトに影が落ちている、と錯覚するほどに、質感も色味もまったく違和感がなかった。
作品の質感もすごく好き。
特に10(写真右)は色合いも含めて、植物のディテールも好みの細かさ。
16 〈キリストの捕縛〉 ヒエロニムス・ボス(の工房)
ヒエロニムス・ボス!
『快楽の園』だけは知っている(どんな絵かはよく知らない)
こんなふうに人物を描く人なんですね。
写実とはちょっと違うけど絵画的にはすごくリアルな彩色。
あまり関係ないはずだけど、なぜか不思議の国のアリスの挿絵を思い出した。
18 〈果物籠と猟鳥のある静物〉 フアン・バン・デル・アメン
なんでこんなに不気味なの?
鳥が吊るされてるから?
画面が暗いから?
でもただの静物画。
よくみると葡萄は瑞々しくて美味しそう。
要素の一つ一つは何でもないのに、背景や画面の明るさで印象の変わる不思議。
17 〈マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物〉フアン・サンチェス・コターン
今回の美術展の顔として出てる絵。
この美術展2来るきっかけになったと言ってもいい絵。
実際に目にしてもめっっちゃリアル。
状況の異質さもあるけど、メロンとキャベツは写真よりも実在感がある。
なのに平面だという奇怪さがどうにも不思議。
作品を斜めから見てもキャベツの側面が見えないのがどうにも不思議。
20 〈悔悛する聖ペテロ〉 エル・グレコ(ドメニコス・テオトコプロス)
祈り100%という表情をしている。
よく見ると絹の筆致はそこまで緻密じゃない。
そのわりに絹のリアリティが高いのは、光沢の表現がしっかりされてるからなのかな。
髪やヒゲも細かい。
肌も粗いがこの色使いでなぜこんなにもちゃんと人間を描けるのか。
28 〈キリスト捕縛〉 バルトロメオ・マンフレーディ
29 〈スザンナと長老たち〉 ジュゼペ・デ・リベーラ
30 〈悔悛するマグダラのマリア〉 ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ
カラヴァジスムというものらしい。
どこ見るポイントの通り、陰影がやたら濃い!
暗い舞台で強力なスポットライトを当てているかのよう。
場面のセンセーショナルさが際立っているように思う。
油彩の筆致もこちらはディテールが細かい。
眼のハイライトが際立っていて、その者の純粋さを表す要素になっているように感じた。
35 〈永遠(教皇権の継承)の寓意〉 ペーテル・パウル・ルーベンス
36 〈聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、 幼い洗礼者ヨハネ〉 ペーテル・パウル・ルーベンスと工房
フランダースの犬でネロが見たがった絵って確かルーベンスって言ってた気がする。たぶんそのルーベンスのはず。
とにかく大きな絵で、描かれている人の表情がみんな優しい。
色合いも暖かいし雰囲気も明るくて、善性だけでまとめ上げられたような作品。
子羊もいるしタイトルから見ても宗教画だと思うけど、そのなかでも取っつきやすい雰囲気を持ってる。
ピックアップ作品
42 〈滝のある森の風景〉 ヤーコプ・ファン・ロイスダール

自然の壮観さを表現している一枚。
明るい昼間のはずがやや暗めの画面。
だけどその暗さが大自然への畏怖や、存在としての大きさを表している気がするし、見る者に対して威圧感を与えている気がする。
描写も細かいけど大事なところとそれ以外とメリハリがついてる印象。
ここ見るポイントは
「嵐雲とちっぽけな人間の対比に注目」
写真ではほぼわからないけど、右側奥の家屋の手前に人間が二人いる。
空を覆う雲はとても分厚くてこれから荒れてくる天気の、持つパワーの計り知れなさを感じる。
空と雲の他にも、生い茂る樹木、流れる川、鎮座する岩々などが大きいことが分かる。
左側奥には尖塔も見えるもののそれら人工物はこの画面の中では一部に過ぎずちっぽけで、起伏の富んだ地形とその雄大さにスポットが当たってる。
今回お気に入りの作品。
43 〈ヴェネツィア、サン・マルコ湾から望むモーロ岸壁〉 ベルナルド・ベロット
写実描写の極み!ヴェネツィアのサン・マルコ広場。
細部までしっかり描写されていて、少し離れて観てみると本当に写真のよう。
絵なんだけど、色選定がやたら実写に近いのでものすごくリアル。
49 〈ラ・ロカ公爵ビセンテ・マリア・デ・ベラ・デ・アラゴン〉 フランシスコ・デ・ゴヤ
ゴヤって肖像画も描くんだ、とびっくり。
どうしても『我が子を食らうサトゥルヌス』の印象が強い画家なので、こうしてそれ以外の作品を意識してじっくり見るのもこれまであんまりなかった気がする。
51 〈自画像〉 マリー=ガブリエル・カペ
綺麗な人。
とても写実的でシースルーの羽織ものの質感も完璧で、透けて見えるドレスのシルクもちゃんとそれとわかる。
自分の見目麗しさと画力に自信をもって堂々とした居住まいの自画像で、これは確かに自信持って世に出しても文句ないよなーと思わされる作品。
56 〈羊飼いの少女〉 ウィリアム=アドルフ・ブーグロー
現実の少女としてほぼ等身大で描かれている気がする。
明らかに油彩画なのだけど、その人物画の大きさとデッサンの正確さ、そして肌の質感と大袈裟すぎない陰影が実在感を醸し出している。
気付き
西洋絵画といえば宗教画のイメージがあります。
しかし時系列に展示されているこの美術展、現代の作品に近づくにつれて宗教以外のテーマが増えていきました。
静物・肖像・風景など、特にキリスト教に馴染みのない私や多くの日本人の方には後半ほどとっつきやすい絵画の割合が増えていくように思いました。
前半の宗教絵画が多いゾーンでも、描かれ方やキャンバスの種類・形などがバラエティに富んでいて飽きの来ないように配置されています。
絵のテーマなどに知識がなくても、鑑賞して「へぇ~」とか「うわ、すごい」とか思えるような作品が並んでいますし、展示の長さもコンパクトなので、初心者・素人でも最後まで楽しめるように配慮された美術展だと感じました。
まとめ
結論、初心者・素人でも飽きにくく、見方のアドバイスもくれる入りやすい美術展でした。
さらに言えば、期間も長ければ展示量もコンパクト。
混雑具合もさほど大したことはありませんので、これまで美術展に興味があってもなかなか行きづらいなと感じていた初心者の方でも、入りやすい、見やすい美術展だと思います。
この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。