イタリア北部の伝統菓子クロスタータ。
様々な種類のナッツやフルーツが載ったそのタルトに似たお菓子は、一度食べればすぐにその魅力に取り憑かれます。
素朴な生地に、風合い豊かなナッツ、甘酸っぱいフルーツが同居し、味、食感、香りが三者三様の姿を見せるのに、それらは不思議と一つのタルト生地という額縁に収まっています。
神戸市立博物館で開催していた「デ・キリコ展」
ここでコラボグッズとして販売していた、イタリア洋菓子店アマレーナの「クロスタータ」を頂きました。形而上絵画風のクロスタータを天面に配置した特別デザインパッケージと併せて、感想を記します。
デ・キリコ展の記事はこちら
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外装

デ・キリコの絵画によく登場する木製の床。
その上に不安定に配置されたクロスタータ。
重ねられた3つのクロスタータは不安定に見えながらも安定を保っています。
紙のパッケージですがマットな質感の加工がされていて高級感があります。
大き目のスマホよりも長めの箱のその側面には、アマレーナのロゴと、この展覧会名の英訳と期間、場所が記されており、一目で展覧会の限定デザインだということが分かります。
スリーブを引き出した内箱が本来のクロスタータの外箱。
シンプルながらも、渦を巻いて舞い上がるリボン様な物の線の質感やかすれ具合が、1900年代の寓話に描かれた挿絵のようにも見えてノスタルジックですね。

箱を開ければそこには個包装されたクロスタータが整然と並べられています。
ジャムやベリーで様々に彩られたそれは一瞬宝飾品のようにも見えますが、チョコレートの落ち着いた色合いを持ってこれらは甘味だということを認識させられます。
すると途端にケーキ屋さんのショーケースに様変わりし、色とりどりのフルーツについつい頬が緩んでしまいます。
一つ一つのカットはパッケージイラストから与えられた印象よりも大きく、空間認識が嬉しいほうに歪んだような錯覚。
個包装がゆえに日にちをずらして賞味できますから、プレゼントするにしても、自分一人で楽しむにしても、安心して手元に置いておくことができますね。
ラインナップごとの所感
ベリー

ケーキに近づくとふわっとイチゴの香り。
フォークを入れると軽い力でスッと切れます。
口に含めばイチゴの柔らかい酸味とバターのケーキ生地が絶妙です。
噛むほどにイチゴの粒粒がプチっとして楽しい。
ケーキ生地はしっとりめで、ジャムの量は少なめですがしっかりと味がするので、フルーツ感が足りないという感じはしません。
むしろこのやや控えめに感じる量が、生地と甘みと酸味がうまく配置され合ってバランスが良いです。
生地の食感としてはフィナンシェとパウンドケーキの中間くらいのイメージで、そこにしっとりさを加えた感じでした。
アプリコット

香りは弱め。
(とは言いますが市販のドライアプリコットもあまり香りは立っていませんね)
ケーキの端のポコポコした部分は硬めで、そしてアプリコットはドライフルーツなので、これらはフォークの峰では切れません。
生地をテーブルナイフで切ろうとしても、このポコポコした隙間にいれないと切りづらく、押し込むとつぶれてしまいます。
食感はタルトの端っこみたいで、しっかりと甘みがあります。
生地真ん中の土台部分は柔らかく、味わってみるとフルーツの甘みをじんわりと感じます。
柔らかいながらベリーよりも少ししっかりめの硬さで甘さのある生地に載っているアプリコット自体は、そこまで甘みは強くありませんが、杏の風味がやさしく広がります。
少しずっしりめに感じるのでこのひと切れでも満足感があります。
ピスタチオアマレーナ

斜め格子上の生地は小麦粉多めのクッキーのよう。
そして土台の生地も硬めでフォークで力を入れるのはちょっと怖く、テーブルナイフを使って切りました。
断面はピスタチオによって緑味を帯びています。
口元に運ぶとほんのりとピスタチオ独特の香りが漂ってきて、ひと噛みするごとにその風味が舌の上に広がります。
上に乗っているのはベリーの砂糖漬け。
不二家のカントリーマアムに似た食感の生地はしっかりと甘く、ジャムの代わりをなすベリーの甘みと僅かな酸味が混じりあって、そこにピスタチオの風味が重なって新しい味覚に満たされます。
甘くしっとりとした生地は重量感があり、食後の満足度は高いです。
栗

生地の見た目と硬さはアプリコットとほぼ同じで、ポコポコしたところはナイフは通りにくいです。
上に乗っている栗も切れないことはないけど、栗とポコポコした部分の隙間を縫って刃を入れれば見た目にも綺麗に切れます。
栗の豊かな香りが感じられるとともに、アルコール不使用なのでお酒が苦手な人でも安心して口に運ぶことができます。
断面の茶色がかかった、濃厚そうなペーストはその期待を裏切る事は無く、風合い豊かで甘過ぎない栗の味。
粒あんの粒を除いたような食感(こしあんとはまた違います)が幸福感を味わわせてくれます。
上部に鎮座していた栗はシロップ漬けで甘みをしっかり感じますから、生地と一緒に口に含むことで大いに栗の味を楽しむことができます。
ピスタチオと同様、こちらも甘くずっしりとした食後感で一つでも十分満足できます。
ショコラ

チョコレートの香り立つその表面にはうっすらと金粉のようなキラキラが見えて、見た目にも高級感を漂わせています。
フォークの先を立ててカットすると、見た目よりもしっとり感は抑え目。
小さく切ろうとし過ぎるとポロポロの欠片となりそう。
生地の中にはチョコチップが入っていてまさにチョコ尽くしですが、食べてみるとその見た目よりは甘さが控えめ。
表面のチョコレートがややビターでその印象を強めているかもしれません。
チョコチップは生地のどこにあるかでしっとりしていたりカリカリだったりと食感にバリエーションがあります。
チョコレート部分が甘さ控えめな分、外側のタルト様の生地が一番甘く感じました。
上面端っこのポコポコした部分はサックリした食感。
この5種類の中で一番、生地がポロポロ崩れるように思いました。
チョコレートがややビターかつしっとり感もそんなになく、ピスタチオや栗よりも軽めで、濃厚そうな見た目とは裏腹に思ったよりスッキリと食べられました。
クロスタータは日持ちします
公式サイトでも到着から1カ月日持ちすることが案内されているこのお菓子。
実際のところですが今回のクロスタータは、
2024年12月5日 に購入して
2025年1月31日 が賞味期限でした。
2カ月弱の期間があります。
展覧会の特設ミュージアムショップで購入したものなので、これより何日前に搬入されたものかはわかりません。
ですがこの当日入荷の製品だとしてもこれだけの期間があれば、賞味にはだいぶ余裕がありますね。
一人で食べるつもりだった私も、これで安心して購入することができました。

保存方法
直射日光を避けて涼しいところで保管となっています。
購入時期が冬だったこともあり、私は食べきるまでずっと常温で保管していました。
すべて食べきるまでは1カ月以上ありましたが、それでも問題なくいただくことができました。
ただ夏場は冷蔵保存が無難かなと思います。
しかし贈答用に持ち運ぶ際には、わざわざ保冷剤を添える必要はなさそうでした。
気になるカロリーは
| ベリー | 203 kcal |
| アプリコット | 238 kcal |
| ピスタチオアマレーナ | 241 kcal |
| 栗 | 249 kcal |
| ショコラ | 262 kcal |
となっています。
タルトケーキですので、やはりそれなりのカロリーです。
ですがパン屋さんで買えるような菓子パンよりも概ね低カロリーだと思われます。
普段のデザートやおやつの時間の楽しみをこちらに置き換えれば、カロリーオーバーとなる心配はそこまでしなくてもよさそうです。
一人で食べきれる?
賞味期限1カ月以上あって長いですし、そもそも一度にたくさん食べるということもほとんどの場合ないでしょうから気にしすぎることもないと思います。
裏を返せば、これが1箱あれば、贅沢なティータイムのお供が長い期間楽しめるという事でもあります。
私自身も、
- 個包装であること
- 賞味期限が長いこと
は大きなポイントでした。
価格はちょっとお高めでしたが「1個当たりの価格は妥当」とも思いましたし、”自分用の贅沢” としてならちょうどいいかなと思い購入しました。
購入するには?
実店舗
店舗は天神橋筋商店街内にあり、大阪環状線 天満駅、大阪メトロ堺筋線 天神橋筋六丁目駅 12番出口から徒歩5分です。
こちらでは複数個入セットはもちろん、各種類1個から購入出来ます。
また店舗限定のクロスタータや、サーカス小屋の形をしたケーキなどがラインナップされています。
店舗で1個単位での購入の場合は個包装ではないので、近日中に食べ切れる量の購入にしたほうが良いでしょうね。
日持ちは翌日までとなっています。
複数個入は、10個入、5個入、3個入が用意されており、こちらは個包装で日持ちは1ヶ月となっていました。

催事情報
催事情報や店舗の当日の営業情報、商品のラインナップは公式のInstagramにて確認できます。

オンラインショップ
オンラインショップは公式Instagramにて、これらの2店舗のみと案内されております。
公式サイト (公式サイトのトップページにてショッピング可能)
2003年芦屋発祥のイタリア洋菓子店、amarena(アマレーナ)のオンラインショップです。お手土産・ギフト・お中元・お…
終わりに
見た目にも楽しく、色々な素材の組み合わせが美味しいアマレーナのクロスタータ。
口に含むとふと笑みのこぼれてしまう幸せな甘さと、フルーツやタルト生地の風味が待っています。
常温保存ができて日持ちがいいというのもありがたく、遠方に住む方への手土産や、多忙な方に贈るプレゼントとしても重宝しそうですね。
自分用にプチ贅沢として買っておいて、毎週末の楽しみに1個ずつ味わっていくのもよさそうです。
ケーキというよりも、ちょっといい焼き菓子が食べたいな、というときに選択肢の一つとして思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
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